研究課題/領域番号 |
16K01439
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
細井 邦彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90700237)
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研究分担者 |
高取 良太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10351355)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | モニタリング / 医療安全 / 手術療法 / 神経合併症 |
研究実績の概要 |
頚椎,腰椎などの脊椎に関する各種疾患を対象とし,臨床研究対象のデータ収集,特殊な解析ソフトを用いた画像解析などを行った.脊椎側方椎体間固定術における指電極を用いたモニタリングシステムによる神経合併症の予防効果に関する臨床研究を行った.この課題では,神経叢の位置と関連する大腰筋の解剖学的特徴に関してMRIを用いた画像評価を行い,指電極システムによる大腰筋剥離操作により,大腰筋の位置に関わらず,モニタリングシステムでの神経刺激閾値を改善し,全例安全性の基準を満たし,手術療法の実施が可能となった.また指電極システムの使用していない群と臨床成績を比較し,指電極システムを使用することにより,有意に術後の神経合併症を軽減することを明らかにした.この内容に関して,論文発表,学会発表を行った.また別の課題として,脊椎側方椎体間固定術後に定量的下肢筋力評価を行った.この課題では,大腰筋剥離操作に伴い,術後一過性に腸腰筋の筋力低下がみられたものの,運動神経合併症を示唆する大腿四頭筋低下は認めなかったことが明らかになり,本研究内容に関して学会発表を行った.また関連する臨床研究として,頚椎前方固定術における臨床成績と画像所見に関する臨床研究,術中CT画像を用いて腰椎変性側弯症に対する矯正固定術の矯正効果を検討する臨床研究,三次元画像解析を用いて腰部脊柱管狭窄症における腰椎変性すべりの合併の有無による病態の相違を検討する臨床研究などをすすめている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初期段階での開発,臨床研究の実施はおおむね順調に経緯している.しかし,本研究と関連する腰椎側方椎体間固定術に用いるモニタリングシステムの一部物品が薬事認可クラスIIでは不適当でありクラスIIIの認可が必要と平成28年7月8日に指摘され,物品の回収と本術式すべて停止の事態となった.厚生労働省から承認条件の下に平成28年12月28日付けで承認され,当院では平成29年4月以降に再開予定である.本研究の指電極システムに関しては薬事(クラスI)の認可を受けているが,今後の発展のため研究立案時に取得を目指していたクラスIIでは不適当と思われ,同様にクラスIIIの認可が必要になる可能性が高いと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究を進めていく上で,必要なデータの蓄積,解析,評価を引き続き行う.特に脊椎側方椎体間固定術後の合併症対策としての指電極システムの有用性を検討していくとともに,手術適応となる疾患に関する画像解析など,本研究と関連する複数の臨床研究の推進を行う. 当大学で可能な臨床研究,動物実験を進めていくとともに,クラスIII取得に関する研究実施に関しては設備,資金,研究計画に見直しが必要であり,共同研究可能な企業を模索している.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費の購入が当初の予定より安く済んだため,次年度使用額が生じました
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験や画像解析の追加費用として使用を予定しています
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