研究課題/領域番号 |
16K01448
|
研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
松下 明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (80532481)
|
研究分担者 |
五月女 康作 筑波大学, サイバニクス研究センター, 研究員 (80608795)
水上 昌文 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (00295429)
門間 正彦 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10274987)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 1.5T MRIによる機能的MRI / 回復期リハビリテーション |
研究実績の概要 |
今年度は,本研究における上肢運動を行う際の評価用ソフトウェアの開発を行い,環境準備,プレ実験,単群による臨床試験を行うことを目標としていた。しかしながら,今年度より職場がリハビリテーション病院へ異動となり,臨床研究の一般的な環境や症例の確保という点ではよりよい環境に改善したものの,本研究におけるリハビリテーションチームの再構築,MRI撮影環境の再構築を要することとなった。また,HALのレンタルも必要となり,予算の分配を再考した。そのため,横断的単群の臨床試験の開始を平成29年度に,並行群間比較試験を平成30年度にそれぞれ先延ばしすることとし,本年度は上記の通り,ソフトウェアの開発と研究環境の構築に充てた。また,新たに放射線科,リハビリテーション科の先生方を分担研究者に迎えることができた。 リハビリテーション環境については,当院の作業療法士,理学療法士の協力が得られた。また,対象を慢性期患者から回復期の患者とすることができたため,より患者リクルートが安定し,発症時期からの期間が揃うことによる解析,分析におけるメリットを期待できる。 MRI検査環境については,当初3Tだったものが1.5Tになってしまうデメリットがあるが,リハビリテーション環境と隣接する病院内のMRIを使用できるようになったため,安全性や即時性ではメリットが得られることとなった。機能的MRI,拡散強調画像による予定通りの撮影は可能なことを確認した。 ソフトウェアの開発も進め,テスト環境を構築した。健常者による試験を行い,現在,安定性の改善と操作の改良を行っている。 筑波大学とも共同で進めており,引き続きT-CreDOのサポートをお願いする予定である。 HALのレンタル費用を抑えるためも,平成29年度中のある程度集中した期間に臨床試験を構築できるようにプログラムを作成している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要でも述べたように,臨床試験の開始を1年ずつ先延ばしとした。そのため,当初の予定からは遅延が見られるが,リハビリテーションの環境や症例の確保という点ではよりよい環境となった。 本年度は,本研究におけるリハビリテーションチームの再構築,MRI撮影環境の再構築を要することとなった。これを円滑に進めるため,新たに放射線科,リハビリテーション科の先生方を分担研究者に迎えることができた。 リハビリテーション環境については,分担研究者の指導の元,当院の作業療法士,理学療法士の協力が得られ,研究に関する意見交換を行った。また,開発中のリハビリテーションプログラムについても,試験運転に協力頂き,開発,改良に関しての有益なアドバイスやディスカッションを行うことができた。 MRI検査環境については,既に機能的MRIを撮影していたため,比較的容易に環境の構築を行えた。また,MRI室内で用いるレバー作成においても,開発や使用におけるアドバイスを頂きつつ,ディスカッションを行うことができた。拡散強調画像によるテンソル解析も臨床でも利用しており,予定通り撮影が可能なことを確認できた。 この様に,ソフトウェア,ハードウェアの開発と共に,研究環境の構築は予定通り進んでおり,当初計画よりも半年ほど遅れてはいるが,健常者によるテストは進めており,平成29年度中に臨床試験を開始できる見込みとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年初頭は,引き続きソフトウェア,ハードウェアの開発を,リハビリテーション科,放射線科と協力して進める予定である。また,健常者を対象とした試験を倫理審査の後に行い,開発した環境については,平成29年度の成果としてまとめる予定である。同時に,平成29年度後半には上肢HALをレンタルし,患者に対する単群試験を開始する予定である。単群試験の結果を基にサンプルサイズを決定後,平成30年度初頭には,並行比較試験の開始をする予定である。 当初計画との変更点としては,臨床試験の開始を次年度にそれぞれ繰り越したこと,対象群を慢性期から回復期としたこと,MRIが3Tから1.5Tに変更されたことが挙げられる。しかし,リハビリテーション環境と人員,MRIの地理的要因では利点も発生し,現在の所,いずれも許容できる範囲と考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
年度開始と共に異動があり,研究環境の調整,臨床試験開始時期の調整を行う必要が生じた。具体的にはロボットスーツHALのレンタル期間を最適化する目的で,臨床試験の開始を次年度へ繰り越すこととした。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度予算を合算して,ロボットスーツHALのレンタルを行う。解析システムの予備試験を行い,その後,HALを用いた臨床試験を集中的に行う予定とする。
|