研究課題/領域番号 |
16K01454
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
峠 哲男 香川大学, 医学部, 教授 (80197839)
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研究分担者 |
丸山 敦夫 鹿児島大学, 医歯薬総合研究科, 客員研究員 (80117548)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脳磁気刺激 / 最大筋収縮 / 運動機能障害 / 上肢筋力低下 |
研究実績の概要 |
最大筋収縮時磁気刺激法の作用機序に関する研究では、単発刺激と二重刺激での磁気刺激の効果の違いについて8例で交叉比較試験を実施した。現在は刺激前後における筋力と運動誘発電位の変化についてデータを解析中で、筋疲労が筋力、運動誘発電に与える影響についても解析を行う。この結果は11月に開催される日本臨床神経生理学会において発表の予定である。 また最大筋収縮時磁気刺激法の臨床応用に関する研究では、昨年度から、脊髄・末しょう神経障害に起因する上肢に筋力低下のある患者での試験を開始しているが、研究施設の関係で十分に被検者を確保することができないのが現状である。そのため、脳卒中に起因する上肢に慢性的に運動麻痺が残存する患者において、最大筋収縮時磁気刺激とプラセボ刺激との間で交叉比較試験を実施することにした。昨年度中に本試験の倫理申請を香川大学医学部倫理委員会に行い、承認を得ている。この試験では、1日1クールの最大筋収縮時磁気刺激を1週間に3回行い、試験前後の筋力、ペグボードテスト、刺激実施中の運動誘発電位の変化を記録する。さらに1週間以上の期間をあけて同様のスケジュールでプラセボ試験を実施し、実刺激群とプラセボ刺激群で統計的に比較検討を行う。また実刺激とプラセボ刺激の順番はランダムに振り分けることにした。すでに試験を開始しており。現在4例において試験を終了した。今後は10例まで症例を増やし、この8月までには試験を終了して上記のデータ解析を行う予定である。今後はデ結果をまとめて、関連する学会や学術雑誌へ投稿を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では初年度において、単発と2連発の経頭蓋磁気刺激法の効果の比較を行い、さらに筋疲労の程度が筋力や運動ニューロン興奮性に与える影響についても検討する予定であったが、今年度はさらにその研究を継続して、現在8例でデータの解析中である。また筋収縮磁気刺激の臨床応用に関する研究も今年度に開始したが、当初の脊髄・末しょう神経障害に起因する上肢に筋力低下のある患者での研究では被検者が十分に集まらなかったので、脳卒中に起因する上肢に慢性的な運動麻痺が残存する患者においても実施することにし、現在研究を継続しているが、この8月には終了予定である。
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今後の研究の推進方策 |
香川大学医学部倫理委員会の承認の基で、脊髄・末しょう神経障害・脳卒中に起因する上肢に筋力低下のある慢性期の患者で、最大筋収縮時磁気刺激法のプラセーボ対象交叉比較試験を実施している。現在4例でのデータを取り終えて、この8月までには10例のデータを取り終える予定である。そのあとは筋力、ペグボードテスト、運動誘発電位の変化を実刺激群とプラセーボ群において統計的に比較し、その結果を当該の学会に発表するとともに、学術雑誌に発表する予定である。
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