研究課題
実験① 単発と2連発の経頭蓋磁気刺激法の効果の比較正常成人7名において、単発または2連発の磁気刺激による最大筋収縮時磁気刺激(Transcranial magnetic stimulation with maximum voluntary muscle contraction:TMS with MVC))の効果について検討した。4回のTMS with MVCを1セッションとして10分ごとに5セッションを行い、1クールとした。磁気刺激中のつまみ筋力と運動誘発電位(MEP)を記録して比較した。結果として単発刺激と二連発刺激によるTMS with MVCが最大つまみ筋力とMEPに与える影響には有意差がなかった。しかし、単発刺激に対して二連発刺激によりMEPはより増大し、つまみ筋力の低下は少ない傾向にあった。以上から、単発刺激に対して二連発刺激によるTMS with MVCは、一過性に運動ニューロン機能と筋力をより増強しうることが示唆された。実験② 単発と2連発の経頭蓋磁気刺激法の効果の比較検討脳血管障害により手指に慢性的な運動麻痺を来した11名の患者で、2連発刺激を用いたTMS with MVCの有効性を検討するためプラセボ刺激を用いた交叉比較試験を実施した。実験①と同様に1日1クールを隔日で3クール行い、つまみ筋力、MEPの測定と、刺激前後でペグボード試験を実施した。結果として、最大つまみ筋力は実刺激群では刺激1日目から有意に増強したがプラセボ群では2日目以後から増強した。MEP振幅と面積は実刺激群では刺激後に増大したが、プラセボ群では逆に低下した。ペグボード試験は両群で改善し差がなかった。以上の結果から、2連発刺激によるTMS with MVCは刺激早期から筋力を増強し、運動ニューロン機能を亢進させると考えられる。
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