研究課題/領域番号 |
16K01457
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
原田 雄大 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30755228)
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研究分担者 |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30295282)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (40347109)
上川 百合恵 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (70418854)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 霊長類 / コモンマーモセット / 脳梗塞 / 慢性期 |
研究実績の概要 |
脳梗塞治療に関する介入研究において、急性期については基礎研究も比較的多く行われ、臨床的な治療方法が確立しつつあるが、回復期や慢性期においては未だ研究の余地が大きい。脳梗塞に対する介入研究に関して構造的、あるいは病理学的な変化、有効性についてはラットを用いた動物実験によって、ある程度解明可能と思われるが、機能的な変化や有効性の検証については、よりヒトに近い脳の構造、機能を有する霊長類を用いた基礎研究によってさらに発展させる必要がある。本研究は、脳梗塞 “片麻痺モデル”を霊長類で安定的に作成し、その回復過程を長期に観察することによって、これまで基礎的研究が困難であった慢性期の脳梗塞に対するリハビリテーションや薬物などの効果を検証、推進するものである。 平成28年度は、計測機器、解析機器の32bitOSから64bitOSへの更新に伴う動作解析ソフトの更新を行った。ソフトの更新に伴い、可能な限り計測、指標追尾の自動化を目指したが、これは残念ながら現状果たせていない。また、研究室移動に伴う頭部固定装置、高輝度光源照射装置の再購入等の準備を行った。 慢性期脳梗塞モデルとして約5年間飼育したマーモセット脳梗塞モデルと、比較対象として同期間長期飼育を行った非介入個体を用意し、食餌の配置による麻痺側(健常マーモセットにおいては非利き手)の強制使用の小規模介入実験を行った。 結果として、非介入マーモセットにおいては、非麻痺側の強制使用、使用動作の習熟を認められた。一方、脳梗塞マーモセットにおいては、餌配置による誘導では麻痺側上肢の使用を認めず、慢性期脳梗塞モデルとして、自然回復していない片麻痺の状態が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究室の移動、および、計測機器の老朽化に伴う更新にやや時間と費用を要した。また、麻痺側上肢の強制使用課題では、慢性期の片麻痺の存在は確認できたが、訓練モデルとしてはさらなる調整が必要と思われた。
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今後の研究の推進方策 |
コモンマーモセットの脳梗塞片麻痺モデルの作成と、一か月以上の長期観察を行う。最適な麻痺側上肢訓練課題を調整のうえ、慢性期脳梗塞モデルとしての評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計測機器の更新が必要だが、選定にやや時間がかかっている。
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次年度使用額の使用計画 |
実験動物の購入費および、計測機器の段階的更新、MRI撮影等の機材使用、協力に伴う費用が見込まれる。
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