これまで、糖尿病の治療は摂取カロリーの制限による食事療法が十分普及し治療体制が整備され、一方運動療法の併用が一般的治療として普及してきた。一方、運動療法として歩行や走行などの下肢運動は、体重減少や運動意欲を高め、手軽で有効な治療効果を得られる手段として食事療法と同様に一般治療として推奨され施行されるようになった。近年、8000歩~1万歩などの高強度運動は、患者の糖尿病などの足指血流の障害や、足アーチの損傷などあるにもかかわらず、誤った、過度な運動療法して認識されつつある。歩行より走行運動は、下肢特に足指、足底への過度な衝撃や損傷をおこす運動療法が自己研鑽や運動療法としてその危険性もありうる。この結果、欧米では下肢血流障害や足肢の動脈硬化症(Arterosclerosis obliterance)が増加し、わが国の糖尿病例でも下肢切断にいたる症例が増加するようになった。切断による下肢喪失は、移動の制限といして日常生活の質を損なう一方、それらの障害が、糖尿病などの血流障害に加え、行動様式、生活様式、活動意欲などを損ない現在の大きな社会問題となっている。 今回は、下肢への負担が少なく、比較的低速度の歩行運動と上肢運動や上肢体幹の自然な運動が、呼気ガス分析で示される運動強度を高め、下肢に偏った歩行運動より全身性の有酸素運動療法として、下肢血流を改善することを示した。ノルディックポールや簡易な腕振り歩行でも、呼気ガス分析に示される運動強度は、同じ運動強度に必要な歩行速度を低下し、下肢関節・足底や足アーチへの衝撃を低下し、有効な運動療法として有用であることが示された。、
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