研究課題/領域番号 |
16K01463
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80360030)
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研究分担者 |
池田 巧 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40453120)
沢田 光思郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40460555)
外村 仁 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70604304)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 椎間板細胞 / HGF / 低酸素 |
研究実績の概要 |
まず、髄核細胞における低酸素とHGFの効果を評価した。日本白色家兎(雄、12-14週)の椎間板組織から髄核細胞を単離し、14日間の初代培養を行った。肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF) (0、100 ng/ml)を投与し,定常酸素(20% O2)と低酸素(2% O2)下で培養し、細胞増殖能をWST-8法(cell counting kit-8)で、HIF1-αタンパクの発現をWestern Blotting法を用いて評価した。 次に髄核細胞におけるHIF-1αの役割を評価した。HGFを投与し2%酸素下で培養した髄核細胞において我々が作成したsiRNAを導入することでHIF-1αをKnockdownし、細胞増殖能とHIF1-α発現を評価した。 さらに、髄核細胞におけるMAPK経路の役割を評価した。HGFを投与した髄核細胞にMAPK阻害剤であるPD98059を投与後、2%酸素下で培養し、細胞増殖能とHIF1-α、pERK発現を評価した。 これらの結果から、髄核細胞において、低酸素刺激およびHGF投与がHIF-1αを介して細胞増殖を促進し、その経路にMAPK経路が関与していることが明らかになった。 近年、髄核細胞におけるHIF-1α発現調節にヒストン脱アセチル化酵素やヒートショックプロテイン70、成長因子であるCCN2などが関与していることが報告され、椎間板変性の病態解析や治療法への応用が注目されている。本研究の結果からHGF/c-MetシグナルもHIF-1α発現調節を介して椎間板細胞の恒常性の制御に関与していると考え、今後のさらなるメカニズムの解析が必要と考えられる。
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