研究課題/領域番号 |
16K01471
|
研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
大林 茂 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90318246)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | くも膜下出血 / 遂行機能障害 / 近赤外線スペクトロスコピー / 前頭葉皮質 / 社会復帰 |
研究実績の概要 |
生産年齢(20-60歳)のくも膜下出血後の高次脳機能障害のうち特に遂行機能障害に焦点をあてその障害の程度や経過、予後に関して非侵襲的脳機能画像法(SPECT&NIRS)を用いて客観的に診断可能な方法論を確立し、その生体内情報をもとにニューロリハビリテーショ ン的アプローチで働き盛りのくも膜下出血患者の障害回復を促し早期に社会復帰させることを目的とする。 平成29年度の研究計画では、急性期~慢性期SAH患者を対象に、SPECTで安静時のベースライン脳血流測定し脳血行動態への影響をグ ローバルに把握し、さらに脳機能面では活動時の脳反応度合いを検出するためphonemic verbal fluency test遂行時NIRS計測を相補的 に組み合わせ神経心理検査とともに検討する。解析のポイントとして、1)SAH急性期~慢性期で、神経心理検査結果を比較。2)f-N IRS計測のSFX-ROI[ox-Hb]経時変化、3)語想起数変化、4)心理検査の変化より遂行機能障害の出現境界・閾値、遂行機能障害重症 度との関係、機能回復との関係を検討。5)SPECTの安静時脳灌流変化と神経心理結果との関係性の検討6)t-DCS介入前後での遂行機能への効果を神経心理結果やf-NIRS計測結果で検討。VFT-NIRS計測値はSAH後の遂行機能障害診断の客観的指標や復職指標になりうるのか総合的に検討。 現時点の傾向として、健常者群と比べ、word retrieval数が少なく、前頭葉皮質のoxy-Hb濃度は低下している印象を認めている。 さらに、次年度以降も健常者群、SAH患者群ともn数を増やしていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予想通りの進捗状況にある。研究継続する。
|
今後の研究の推進方策 |
スケジュール:以下の3期間にわたり長期フォローアップしていく。Phase1:急性期当院入院期間中(エントリー後から約1ヶ月) SAH患者(介入群、sham群)手術治療後、身体訓練、日常生活動作(ADL)訓練、認知訓練、臨床心理検査と急性期SPECT、f-NIRS計測後 、t-DCS(anodal mode, intensitiy;1.5mA, duration 20 min)を週1~3回のペースで最大10回、患者SFX直上に施行。Phase2):慢性期 1回復期病院転院期間(エントリー後2ヶ月ー6ヶ月) 転院後も回復期リハビリテーション病院と提携し、身体訓練、ADL訓練、認知 訓練継続し心理検査も定期的にフォローアップ(1ヵ月毎) Phase3):慢性期2 回復期病院退院後(エントリー後6ヶ月以降) 当院 リハビリテーション科外来リハビリテーションにて定期的にf-NIRS検査(回復期病院退院後、以降約1ヵ月毎にフォロー)と神経心理 検査結果次第ではt-DCS(1ヶ月ごと)を併用した認知訓練の継続。
|
次年度使用額が生じた理由 |
理由) t-DCS刺激装置システム1式(eldith DC stimulator PLuS ver. 1.5.1 neuroConn GmbH, Germany)を購入予定であったが、新機種リリースの可能性があり、購入時期を延期した。 (使用計画) t-DCS刺激装置システム1式(Soterix Medical mini-CT, NY, USA)を購入
|