研究課題/領域番号 |
16K01476
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
平野 哲 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80535419)
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研究分担者 |
加賀谷 斉 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40282181)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
田辺 茂雄 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (50398632)
大塚 圭 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (60460573)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | リハビリテーション医学 / リハビリテーションロボット / 脳卒中 / 片麻痺 / 歩行練習 |
研究実績の概要 |
脳卒中片麻痺患者において,歩行障害は頻度の高い障害である.歩行困難が残存すると,活動量が減少し,寝たきりとなる可能性も高くなるため,歩行獲得を目指して歩行練習を行うことは非常に重要である. 脳卒中片麻痺の歩行練習においては,下肢装具を利用した歩行練習が一般的である.下肢装具を利用することにより,下肢関節の自由度を制限し,運動を単純化することによって,麻痺を有する患者でも歩行が安定する.重度片麻痺者の歩行練習初期において短下肢装具を使用すると,膝折れのリスクが高いため,長下肢装具の使用が望ましい.しかし,長下肢装具を使用すると,膝を伸ばしたまま麻痺側下肢の振り出しを行うため,分回し,骨盤挙上などの代償運動が必須となり,最終歩容と異なる歩容を定着させる恐れがある.また,患者自身での振り出しが困難で,療法士による介助の割合が多くなるため,学習の効率が低下する.低歩行速度で練習量が少ない,練習への意欲が出にくいなど,長下肢装具での歩行練習には様々な問題があった.そこで我々は,これらの問題を解決し,練習初期から最小介助で,膝屈曲を伴う自然な歩容を多数歩練習できることを目的として,歩行練習支援ロボット「歩行練習アシスト(Gait Exercise Assist ; GEAR)」の開発を行ってきた. 2016年度は,GEARを用いた初発脳卒中片麻痺患者15名(GEAR群)の退院時の装具歩行の三次元歩行分析結果を,下肢装具のみにて歩行練習を行いGEAR群と麻痺重症度・発症後期間が同等の患者15名(装具群)の三次元歩行分析結果と比較した.GEAR群においては,機能障害の1つである遊脚期膝屈曲不全と,代償運動の1つである骨盤挙上に関して,装具群よりも有意に異常歩行の重症度が低値であった.GEAR練習は,通常の装具練習よりも,機能障害の改善や代償運動の低減に有用である可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,同一の患者において,GEAR使用時の歩容と装具使用時の歩容を比較する予定であったが,GEAR練習における歩容が装具使用時の歩容に転移し,GEAR使用患者の退院時の歩容が,装具での歩行練習のみを行った患者の歩容よりも良好であることが,GEARの有用性を示す上では重要であると考え,GEAR使用患者の退院時の歩容と装具での歩行練習のみを行った患者の歩容を比較するように研究デザインを変更した.GEARを用いることで,歩行連週初期から膝屈曲を伴う自然な歩容を多数歩練習できるため,代償運動の低減が期待される一方で,ロボットの過剰な補助によって患者自身が膝屈曲を行う能力が低下することが危惧されたが,得られた結果は,代償運動の低減のみならず,機能障害の改善に関してもGEARの有用性を示唆するものであった.
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今後の研究の推進方策 |
GEARの有用性について,引き続き歩容に与える効果を検討するとともに,他の側面からの検討も行う.具体的には,歩行自立度に与える有用性を評価する.初発脳卒中片麻痺患者を,従来下肢装具での歩行練習のみ行う群と,歩行練習アシストを併用する群の2群に割り付けて,無作為化比較対照試験を行う.1週間に実施されるリハビリ時間及び歩行練習時間は両群で同一とし,歩行自立度の改善経過を両群で比較する.
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次年度使用額が生じた理由 |
キッセイコムテック社製三次元動作解析システム KinemaTracer ソフトウェアを,本研究に用いる異常歩行の重症度の指標値を自動算出できるよう機能追加された後に購入予定であったが,システムの改良が完了しなかったため,2016年度は購入を見送り,研究においては従来品を使用して三次元歩行分析を行った.従来品ではデータの分析の手間が多く,時間を要するため,2017年度に改めて購入を進める予定である.
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次年度使用額の使用計画 |
本研究に用いる異常歩行の重症度の指標値を自動算出できるよう機能追加された後に,キッセイコムテック社製三次元動作解析システム KinemaTracer ソフトウェアを購入予定であある.
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