研究課題
慢性心不全患者における心不全増悪を予測する要因を心不全患者の身体運動機能の観点より検討している研究は極めて少なく、現状においても慢性心不全患者の身体運動機能から慢性心不全増悪を予測するができるの否かについては不十分である。本研究は、慢性心不全の急性増悪により入院した慢性心不全患者の入院中に計測した身体運動機能を臨床評価指標として、心不全増悪を予測するし得ることができれば、慢性心不全患者の再入院予防を入院中に慢性心不全患者の再入院リスクを層別化することができる。このため、慢性心不全の急性増悪入院した患者の入院時および退院時の握力や下肢筋力、歩行速度、運動耐容能、呼吸機能等の身体運動機能と心機能や諸検査データによる臨床評価指標を考慮した上で、慢性心不全患者が退院後2~3年間、慢性心不全による再入院の有無を調査した。この他、急性増悪入院した慢性心不全患者に対する経皮的電気刺激やストレッチの効果について検証を行い、一定の効果を認めることができた。一方、慢性心不全患者の身体運動機能と密接な関わりがある身体的フレイルについて、適切な評価方法についてトライアルを実施した。歩行速度や運動耐容能の評価指標である6分間歩行距離は、高齢心不全患者の予後を予測する強力な臨床評価指標であることを論文発表し、呼吸機能の指標である呼吸筋力も慢性心不全患者の予後を予測する強力な臨床評価指標であることを国際学会で発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
2017年は、慢性心不全患者の呼吸筋力が再入院を規定する臨床評価指標であることをヨーロッパ心臓病学会にてモデレートポスター発表し、慢性心不全患者の入院中の快適歩行速度の変化量が一定量を超えると再入院リスクが減少することをアメリカ心臓病学会にてポスター発表を行い、慢性心不全患者の歩行速度や6分間歩行距離が慢性心不全の急性増悪を予測する臨床評価指標であることをEuropean Journal of Preventive Cardiology. 25(2)へ論文掲載した。
2017年に学会報告した研究について、論文化して投稿を行う予定である。
当初の予定よりも早めに目標とする対象患者数のデータを収集することができたため、次年度は、研究成果を国内、国際学会へ発表し、論文投稿へ使用額を振り分ける予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 11件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (4件)
JCSM Clinical Reports
巻: 3 ページ: 1-11
European Journal of Preventive Cardiology
巻: 25 ページ: 212-219
10.1177/2047487317735715.
J Hypertens
巻: 36 ページ: 1291-1298
10.1097/HJH.0000000000001700.
J. Phys. Ther. Sci.
巻: 30 ページ: 413-418
10.1589/jpts.30.413.
Clin Cardiol
巻: 40 ページ: 1189-1196
10.1002/clc.22845.
International Heart Journal
巻: 58 ページ: 551-556
10.1536/ihj.16-293.
Journal of the American Medical Directors Association
巻: 18 ページ: 176-181
10.1016/j.jamda.2016.10.019.
American Journal of Cardiology
巻: 119 ページ: 186-191
10.1016/j.amjcard.2016.09.040.
Journal of Cardiopulmonary Rehabilitation and Prevention
巻: 37 ページ: 130-138
10.1097/HCR.0000000000000229.
Geriatr Gerontol Int.
巻: 17 ページ: 785-790
10.1111/ggi.12787.
Int J Rehabil Res.
巻: 40 ページ: 193-201
10.1097/MRR.0000000000000232.