複数のがん細胞株にまずIFNγで刺激してPD-L1の発現を亢進させたうえで、ハイパーサーミア(温熱処理)の影響を検討した。その結果、がん細胞株によってばらつきが大きく発現が増強する細胞株と発現が減少する細胞株もあり、全体としては発現抑制の傾向は認めるものの科学的に断定するには至らなかった。そこで、追加研究計画に基づき、IFNγの前刺激なしでPD-L1の発現に対する温熱処理の影響を検討した。その結果、何種類かのがん細胞株ではPD-L1の発現が増強していた。そのメカニズムについては、我々の検討では、温熱処理によりがん細胞からのIFNγの産生が亢進することを明らかとし、この温熱刺激によるIFNγがautocrine的にPD-L1の発現を増強していると推察した。
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