研究課題/領域番号 |
16K01488
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
谷合 信一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 助教 (80433598)
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研究分担者 |
冨藤 雅之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科科, 講師 (80327626)
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 准教授 (70317220)
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (80215946)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経口的咽喉頭部分切除術 / 嚥下障害 / 音声障害 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)後の嚥下機能の解析を中心に進めた。TOVSの術前・術直後・術後3カ月以降の嚥下造影(VF)画像を、喉頭挙上距離、喉頭前方移動距離、喉頭挙上遅延時間、Penetration Aspiration Score (PAS)、梨状陥凹残留について解析した。対象は、中咽頭癌2例、声門上癌2例、下咽頭癌11例であった。結果は、喉頭挙上距離、喉頭前方移動距離、喉頭挙上遅延時間には有意差を認めなかった。しかし、Penetration Aspiration Score (PAS)と梨状陥凹残留は術直後に有意に悪化し、3か月以降は回復していた。このようにTOVS術後の嚥下機能の低下は一時的なものであることが示唆された。 高解像度マノメトリー(HRM)を用いた嚥下機能解析を3例実施した。HRMの解析パラメータは、上咽頭最大圧、UES開大時間、嚥下前UES最大圧、嚥下後UES最大圧、中下咽頭部最大圧、UES弛緩圧、UES安静圧とした。結果は、症例1(中咽頭癌)では、UES開大時間は保持されるものの、中下咽頭部圧の低下を認め、切除部位に一致した圧の低下と考えられた。症例2(下咽頭癌、放射線治療歴あり)は、UES開大時間の短縮、中下咽頭部圧の上昇を認めた。症例3(下咽頭癌)では、UES開大時間の短縮を認めた。中咽頭切除症例では、UES開大時間が保持され、中下咽頭部圧が低値を示すことが分かった。また下咽頭切除症例では、UES開大時間が短縮するなど、それぞれに特徴があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)後の嚥下機能の解析については、VFとHRMを用いた研究を実施できた。音声機能の解析は、音声データの蓄積に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、TOVS後の嚥下障害に対する術前介入について研究を進める。またこれまで蓄積したデータの分析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、論文投稿が次年度になったことと、予定より購入費を節約することができたためである。
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