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2020 年度 実施状況報告書

ペアレント・トレーニング保育士版の効果と普及に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K01498
研究機関群馬大学

研究代表者

十枝 はるか  群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (30380835)

研究期間 (年度) 2017-02-23 – 2022-03-31
キーワード発達障害 / 作業療法 / 保育士 / 支援
研究実績の概要

2020年度の対象はC市より3名であった。B市は、対象児の保護者へ説明と同意が得られないとの理由で今年度より不参加となった。C市では2年目ということもあり、ペアレント・トレーニング保育士版に参加される保育士との日程調整もスムーズに行え、6月より開始でき、参加者から日程に関する苦情はなかった。参加者からは終了時に「今までは、大人都合で声かけが多かった。不適切な行動に対しても、その前の段階に何があったのかにも、心の余裕をもって確認しようとする意識が高まった」「以前は、よい行動も当たり前ととらえスルーすることも多かったが、そのような当たり前のことにも注目して声をかけられるようになった」「実況中継することで、子どもが嬉しそうにしている表情も見られ、私も嬉しくなった」といった、保育士の子どもに対する意識の変化や対応の変化に関する感想が聞かれた。このように、2020年度は、対象者3名と少ないながらも感想から保育士の意識の変化を認め、保育士自身が変わって心の余裕となり、子どもとの関係が良くなったと推察された。このような保育士と子どもの関係は子ども発達支援に不可欠であると考える。また、2020年度の対象者による対象児のCOPMによる評定でも、気になる行動の遂行度の改善傾向がうかがえ、子ども自身の発達も促すことがデータからも確認できた。すなわち、適切な保育・教育環境による発達支援を提供することができる地域社会の構築に向けてより前進できたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

B市での実施は2019年度で(研究途中ではあったが)終了し、2020年度はC市のみでの実施となった。C市では本計画の2年目にあたる。昨年度、C市では3名の保育士にご参加いただいたが、そのうち1名が退職し、今年度のインストラクター養成講座には2名の参加となった。さらに、この2名は養成講座に参加はしてくれたもののインストラクターになることに消極的な印象があり、本計画4年目(2022年度)にインストラクターを務めるかどうか不明な点が多い。2022年には、3名のインストラクターが誕生する予定であったが、0名の可能性もでてきた。ただ、2020年度の参加者3名は、本トレーニング終了時点で、インストラクターになる気力が充分であるため期待できる。この3名が実際にインストラクターを務めるのは5年目(2023年度)になり、保育士による本トレーニング実施した効果判定を行うデータを収集できるのが、当初の予定よりかなり遅れることになる。一方で、新型コロナ感染状況を踏まえて、本学の学生への臨床実習が、学内実習に切り替わる中で、その学生を学内実習の一環でこのペアレント・トレーニング保育士版のセッションに何回か同行させる機会が多くなった。将来、対象児・者とその家族や地域の人たちとチームを組んでいく作業療法士になる学生にとって、地域支援の一つとしてティーチャー・トレーニングの実際に触れて学んだことは、普及という観点で前進したと考える。

今後の研究の推進方策

C市において、2019年度から2023年度までの5年間の実施予定となる。研究期間が当初の計画より2年遅れながらも計画通り進めていく予定である。2019年~2020年の2年間で、毎年3名計6名の保育士が作業療法士によるティーチャー・トレーニングを受け、そして各3名の保育士を2年ずつかけてインストラクターとして養成する予定であった。現在、2022年は3名のインストラクター誕生が危ぶまれているが、2023年には3名のインストラクター誕生は期待できる。少ないながらもC市において2023年度には3名のインストラクターが各保育園で実施する(計3回)ことで、普及という観点で前進することになる。また、2021年度よりD市でも実施できることとなった。D市においては、2021年度から2026年度までの5年間の実施予定となる。D市は発達障害の早期発見・早期支援の先駆的地域であり、保育士の意識も高いことから、確実なインストラクター養成も期待できると考えている。D市における本研究実施期間5年に6名がインストラクターとなる予定で、2026年度には保育士によるティーチャー・トレーニングが各保育士の所属する保育所にて実施(計6回)されることになるので、普及という観点ではかなり前進することになる。C市もD市も本研究に参加することを市の業務として認めてもらえることになったので、対象者とってはやりがいにつながるのではないかと考えられる。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、当初予定していたB市の参加が中止となり、C市のみの参加で研究対象者3名と少なくなったこと、また学会発表や研修等もオンラインとなったため旅費が不要となったこと、英語論文構成費や投稿費のために使用したかったが英語論文作成が遅れていること、等から予算が余ってしまい、次年度使用となった。次年度は、C市とD市での実施となり、よりよいティーチャー・トレーニングとなるよう環境を整え、英語論文構成費や投稿費に使用することを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 育児不安解消に向けた幼児社会性発達早見表の試作2020

    • 著者名/発表者名
      横井 千恵,十枝 はるか
    • 学会等名
      日本作業療法学会

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公開日: 2021-12-27  

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