研究課題
本年度は、主に脳卒中症例に対するtDCSと末梢神経電気刺激のDual stimulationに関してデータ計測および国内外での学会で成果発表を行った。20名の急性期脳卒中症例が、本研究に同意し、刺激介入開始となった。1名は途中で体調不良により中止、3名が2週間の介入中に転院となり途中で中止となり、最終的には16名の脳卒中症例が最終まで経過を追うことができた。16名中7名は1回(20分間)の刺激介入によってFugl-Meyer assessment (FMA)の点数が増加し、Block and box test(BBT)も改善し、自覚的にも他覚的にも随意性の向上を認めた。一方、完全麻痺や重度運動麻痺の症例では変化がほとんどないか又はごくわずかであった。2週間の介入期間前後の評価では、81.3%の症例がFMAやBBTの改善を認め、開始時FMA手指項目が0点であっても終了時FMA手指項目10点まで改善する症例も認めた。さらに、皮質脊髄路の興奮性を示す運動誘発電位(MEP)は、損傷側では興奮性が向上し、非損傷側では興奮性が低下する傾向を示していた。以上から、脳卒中急性期症例に対するDual stimulationは神経生理学的及び運動機能に影響を与える可能性が示唆され、今後のさらなる症例集積と治療メカニズムの解明が必要である。
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みんなの理学療法
巻: 32 ページ: 35-41
物理療法科学
巻: 26 ページ: 21-26