親しみのある嗅素が使用されている嗅覚検査に着目した調査を行い、線香やゆず、リンゴなどの16種類の嗅素が70%以上の割合で高齢者の回想に繋がっている知見を示した。 次に、地域在住高齢者を対象に、事前調査に基づいた嗅覚刺激を用いた回想法の認知機能および抑うつに対する効果を検討した。介入群は嗅覚カードを用いた回想法を12回実施し、対照群は言語カードを用いた回想法を同様に実施した。評価は、認知機能と抑うつの検査を用い、介入前と介入後に行った。結果、抑うつの評価において有意な変化が認められ、嗅覚刺激用いた回想法は、高齢者の精神的健康の維持・向上のためのプログラムとなり得る可能性が示唆された。
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