研究課題/領域番号 |
16K01515
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研究機関 | つくば国際大学 |
研究代表者 |
深谷 隆史 つくば国際大学, 医療保健学部, 教授(移行) (20515580)
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研究分担者 |
六崎 裕高 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50550927)
森 浩一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90274977)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 重度変形性膝関節症 / 歩行 / CT有限要素解析法 / 筋骨格モデル |
研究実績の概要 |
本研究課題は重度変形性膝関節症患者の歩行解析に下肢関節の筋発揮張力分析と膝関節面の応力分布を解析するCT画像を用いた有限要素解析法を融合し、膝関節の可動性や力学的負荷の特性を明らかにすることである。本研究期間では、具体的に重度変形性膝関節症の荷重負荷が大きい歩行立脚期における、①歩行中の筋発揮張力の解析、②CT有限要素解析法による膝関節応力集中部位の同定を行った。 ①の筋発揮張力の検討では「変形性膝関節症患者の歩行立脚期における膝周囲筋の筋活動の違い」をテーマに学会発表を行い、重症度の異なる変形性膝関節症の患者に対して筋骨格モデルを利用して解析を行った。重症度の高い変形性膝関節症群では立脚初期の膝伸筋群の作用は小さく、健常成人群及び軽症な変形性膝関節症群と異なり膝関節の屈筋群が伸筋群に比べ筋発揮が大きかった.また、健常成人群に比べると軽症な変形性膝関節症群及び重症度の高い変形性膝関節症群の膝屈筋群の活動が立脚初期から延長していた.本研究の結果から、重症度の高い変形性膝関節症群では伸筋群の筋発揮が小さく、伸筋群に比べ屈筋群の活動が延長していたことがわかった。 ②のCT有限要素解析法による膝関節応力集中部位の解析では健常者に比べ、重度変形性膝関節症患者では半月板の損傷、消失を伴い、裂隙の狭小化、骨棘の形成などが著明でモデル作成に多くの時間を費やしたが、動作解析により得られた筋発揮張力と床反力、歩行中の膝関節角度の情報を有限要素法に入力することにより、健常者が膝関節の内側部の中央付近に応力が集中しているのに対し、重度変形性膝関節症患者は膝関節の内側辺縁に応力が集中していることがわかった。
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