研究課題
平成30年度は開発したDMBシステムを院内だけでなくデイサービス施設や在宅で施行できるようにするための簡易型脳波計を利用したシステムの小型化・低コスト化に取り組んだ。簡易脳波計としてはマイコンベースのOpen BCIを用い,取得した脳波データをコンピュータからタブレット端末に送信し,リハビリテーションの施行者や患者が視覚的に運動関連脳活動を確認可能なアンドロイドアプリケーションの開発を行った。DMBシステム使用中の脳活動をOpen BCIと医用脳波計(g.tec g.USPamp)で同時計測し,それぞれの脳波データから運動想起の脳活動指標である事象関連脱同期 (ERD)を算出して検討を行った。Open BCIが無線システムであることと,DMBシステムにデータを読み込むためにかかる遅延が確認されたため,この遅延時間を考慮したERD強度の解析を行った。7名の健常被験者の結果から,簡易脳波計と医用脳波計のERD強度指標の平均相関係数は0.943,検出されたERD強度の正負の平均一致率は94.3%であり,簡易脳波計によるDMBリハビリテーションの実施が十分な精度で可能であることを示すことができた。脳活動を可視化表示するアプリケーションについては,手の掌屈課題施行中のERDと筋活動を表示する仕様とし,脳卒中患者10名に対して試用試験を行った。使用者アンケートの結果から患者の6割以上が脳活動・筋活動の観察に興味を持ち,今後もアプリケーションを使ったリハビリを行いたいと答え,患者の機能回復への意欲向上に貢献することが示された。また,アプリケーションの使用により計測を完了できた8名中6名で患側ERD強度の増加が確認され,患者の運動時の脳活動を改善する可能性が示された。これらの成果は学会にて発表した。
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