研究課題/領域番号 |
16K01528
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研究機関 | 大阪青山大学 |
研究代表者 |
木下 博 大阪青山大学, 健康科学部, 研究員(移行) (60161535)
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研究分担者 |
東 登志夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40244090)
中西 康人 大阪青山大学, 健康科学部, 准教授(移行) (50622669)
奥野 竜平 摂南大学, 理工学部, 教授 (90294199)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ペグボード / 手指 / 巧緻性機能評価 / 摘み力 / 自動計測 / 左右差 |
研究実績の概要 |
本研究では看護、障碍者のリハビリテーションでの上肢機能訓練と評価、健常者の巧緻性評価、さらには職業適性検査などで広範に使用されている「ペグボード」の新たな可能性を開くために、センサ内装型ベグボードの開発を狙いとし(1)個々のペグの動作時間が計測可能なボードおよびデータ収集・解析ソフトの開発、(2)ペグの精密把握力計測機器とデータ収集・解析ソフトの開発、(3)それらを用いてペグ操作課題での新たな基礎データベースの構築と評価指標の検討の3点を目的とした。平成28年度は、(1)各ペグの移動検知システムの設計と製作、 (2)把握力計測が可能なセンサペグの計測を可能とするペグの設計と製作、(3)それらの予備実験を行い、途中経過を学会等で報告する、の3点を目標とした。目標1のセンサ内装型ペグボードは、光学センサであるフォトリフラクタを自作の20穴式のペグボードの各挿入穴下部に取り付け、市販のプラスチック製円柱ペグ(直径7.4m、長さ30mm)の入出時の反射光の電気信号変化を増幅、A/D変換しデジタル信号から穴入出のタイミングが検知できる装置一式を製作した。さらに予備実験として6名の健常男女青年の協力を得て左右の手による繰り返しのテスト計測を行い、ペグの入出タイミングが明確に判定できることを確認した。加えて、80回のペグ移動でのペグの平均運動時間、平均運動速度およびそれらの個体内変動、ペグを離してから次のペグを抜くまでの手の運動時間、平均運動速度と個体内変動が計算でき、さらにペグ落下などでの大きな時間延長試技も検出可能なMatlabプログラムを作成した。目標2に関しては、把握力検出装置を備えたペグを現在製作中である。目標3に関しては、昨年12月にオーストラリア、ビクトリア大学での研究セミナーで本ペグボードの試案と可能性と題して公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に予定していた第1の目標であるペグ装置の作成については、試行錯誤の上、装置を製作し、さらに予備実験として6名の被験者による繰り返しの実験と装置の修正を経て、現時点で十分に信頼性、安定性が確保されたペグボード装置が完成できている。さらにペグボードデータの解析のためPCソフトに関しても健常者からのデータを客観的に評価する上で使用可能なMatlab利用のソフトを完成させることも完了している。一方、把握力計測ペグの開発に関してはペグボード装置、データ取り込みソフト、データ解析ソフトの開発に多大な時間を要したために、摘み力計測装置開発は多少遅れてた。現時点では、計測用ペグは試作できたが、データ収集の周辺機器や解析ソフトの開発にまでは至っておらず、予備実験も実施できていない。従って装置の信頼性や安定性の確認も遅れている。これらの点を改善し、すべての装置が稼働できる状態を緊急に整えたいと考えている。学会等での初年度成果の報告については、ペグボード開発に時間を要した関係で海外での大学研究セミナーでの発表のみに留まった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、まずペグ把握力測定装置およびそのデータ収集・解析ソフトの開発、予備実験に時間を費やす。さらに既に開発した光学センサ内装ペグボードを用いて十分な数の健常者群(青年群、高齢者群、できれば幼児群)による本実験を実施し、そのデータを解析し、健常者の基礎情報としてまとめる。本装置の有用性、および健常者の基礎データに関する研究報告を学会等で公表する。ペグ把握力の計測に関しても、予備実験を行い、健常青年群でのデータ収集にまで発展させることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
第1の目標であった光学センサペグボード設計および製作、試験、データ収集。解析ソフトの開発、予備実験に予想以上の時間が費やされたために、第2の目標である把握力計測用ペグの製作が遅れた。従って、それに関わる部品、増幅器用電子機器、計測用装置などの購入、第2目標に関わる予備実験への参加者への謝礼などの予算執行ができず残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、把握力計測ペグ装置の製作に伴い、近日中に予算として計上していたデータ計測用機器を購入する予定である。また、この装置の信頼性を調べるために6名程度の健常成人による予備実験を実施する予定であり、それに伴い予算として計上していた第2目標の予備実験を実施し、それへの参加者への謝礼も支払う予定である。
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