研究実績の概要 |
・義手アーム構造の最適設計開発のために計測日常生活動作(Activity of Daily Living, ADL)に基づきアームの仕様を決定した. 健常者の数種の両手動作を計測し, 5自由度リンクモデルにおける手先軌道追従時の各関節の所要角度・所要トルクを導出した. 各部品寸法, 空気圧人工筋肉(Pneumatic Artificial Muscle, PAM)/モータの各関節の適材適所配置, PAM最適使用本数を探索的手法により導出し, その結果を基に試作機に展開した. ・義手アームの要素技術開発として,義手アームの軽量・効率化に寄与できるPAMの3次元的レイアウトによる回内・回外動作機構を試作開発し,また義手アーム可動域と安全性・柔軟性に貢献できるPAM・増速歯車列を組み合わせた駆動機構を試作,評価実験を行いその効果を確認した. ・義手5自由度の操作のためのマルチモーダル入力システムのレイアウトを設計した. 筋電・加速度センサ・力センサ・機械スイッチを使って入力を行う. 各センサ・スイッチは頭部, 上肢,体幹, 下腿部,足指部に設置し当該部位の挙動により入力信号を生成する. ・対象物の重さ, 柔かさ・脆さによらず安全で安定した把持を実現し, 視覚では補えない把持力情報を使用者に伝えるための把持力フィードバックシステムの一部を設計した. このシステムは, ハンドで直接健常手首を掴まれるような形態により力覚に把持力を直感的にフィードバックさせるためのリストバンド型である. このバンドは薄膜状ゴム筐体を空気圧駆動で膨らませて, 膨張により健常手首を囲む(掴む)ように加圧することでフィードバックを実現するが,この筐体の一次試作の為の設計を行った.
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