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2016 年度 実施状況報告書

携帯端末に適応した視線・脳波入力インタフェースシステム

研究課題

研究課題/領域番号 16K01538
研究機関電気通信大学

研究代表者

板倉 直明  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30223069)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード視線入力インタフェース / 脳波入力インタフェース / Eye Glance / Eye Gaze
研究実績の概要

視線・脳波インタフェースは手指を使用せずに視線、脳波を利用して機器への入力が可能となるインタフェースである。この視線・脳波入力インタフェースを携帯端末で実現するために、交付申請した研究の目的は以下の3つである。1-1)端末内蔵カメラだけで対応できるEye Glance入力(限定した方向への瞬間他所視入力)方式を完成させる。1-2)短時間入力可能なtransient 型脳波解析を利用した注視対象の判定方法を確立させる。1-3)インタフェース装置の低価格化、小型化を実現するシステムを開発する。
上記の目的を達成するために、平成28 年度から以下の計画、2-1)Eye Glance 入力に有効な生体信号処理方法と画面デザインの確立、2-2)使用する点滅刺激に対する視覚誘発脳波の解析方法の確立、2-3)携帯可能でコンパクトな測定装置の開発、2-4)脳波、視線、音声を統合した入力インタフェース仕様の検討、2-5)心理的疲労などの作業負担評価、を実施した。
2-1)に対して、OpenCVを利用し、画像解析でEye Glance入力を検出する方法を提案し、眼電図を用いた場合には及ばないが、80~90%の正確性でEye Glance入力を検出できることが分かった。今後はアルゴリズムや利用する画像解析ソフトを変えながら、さらに高い正確性が得られるように改良を加える予定である。また、画面デザインについても具体的なデザインを提案し実験を行った。2-2)に対して、具体的な解析方法を確立し、実験を行った。その際、画面の制御が正確に行えない場合に問題が生じるため、画面の制御を正確に行えるようにプログラムを改良する必要がある。2-3)に対して、プロトタイプの装置を開発したが、雑音対策が十分ではないことが判明した。2-4)、2-5)は2-1)~2-3)が完成後に取り組む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28 年度から、主に以下の計画2-1~2-5 を実施する計画であった。
2-1)Eye Glance 入力に有効な生体信号処理方法と画面デザインの確立、2-2)使用する点滅刺激に対する視覚誘発脳波の解析方法の確立、2-3)携帯可能でコンパクトな測定装置の開発、2-4)脳波、視線、音声を統合した入力インタフェース仕様の検討、2-5)心理的疲労などの作業負担評価

2-1)に対して、OpenCVを利用し、画像解析でEye Glance入力を検出する方法を提案し、眼電図を用いた場合には及ばないが、80~90%の正確性でEye Glance入力を検出できることが分かった。2-2)に対して、点灯間隔変動光を刺激として用いることで、脳波の判別ができるような具体的な解析方法を確立した。実際に実験を行った結果、8種類の刺激光を用いることで脳波入力を実用化できる目途が得られた。2-3)に対して、プロトタイプの装置を開発した。開発した装置を用いて、その性能を確認したところ、雑音対策が十分にできれば、十分に性能を満たす装置として使用できることが判明した。以上の状況は、当初から計画していた状況とほぼ同様な状況になっているため、おおむね順調に進展していると判断した。しかし、いくつかの課題を解決する必要があり、それらの課題を解決した後、残りの2-4)、2-5)の計画に着手する予定である。

今後の研究の推進方策

平成28 年度から、主に以下の計画2-1~2-5 を実施する計画であった。
2-1)Eye Glance 入力に有効な生体信号処理方法と画面デザインの確立、2-2)使用する点滅刺激に対する視覚誘発脳波の解析方法の確立、2-3)携帯可能でコンパクトな測定装置の開発、2-4)脳波、視線、音声を統合した入力インタフェース仕様の検討、2-5)心理的疲労などの作業負担評価

2-1)に対して、眼電図を用いた場合には及ばないが、80~90%の正確性でEye Glance入力を検出できることが分かったが、今後はアルゴリズムや利用する画像解析ソフトを変えながら、さらに高い正確性が得られるように改良を加える予定である。また、画面デザインについても具体的なデザインをいくつか提案し、さらに実験を行う予定である。2-2)に対して、画面の制御が正確に行えない場合に問題が生じるため、画面の制御を正確に行えるようにプログラムを改良する必要がある。2-3)に対して、雑音対策が十分ではないことが判明したため、有効に雑音を除去できるデバイスを開発する必要がある。2-4)、2-5)は2-1)~2-3)がある程度、目途が立った時点で早急に取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

基金であることを考え、当該年度の使用額を越さない程度に、ほぼ計画通りに使用した結果、少額の次年度使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

次年度に繰り越した使用額が少額であることから、使用計画を変更することなく、前年度に引き続き、計画通りに研究を遂行する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)

  • [雑誌論文] Feature Analysis Focused on Temporal Alteration of the Eyeblink Waveform Using Image Analysis2017

    • 著者名/発表者名
      Shogo Matsuno,Minoru Ohyama,Kiyohiko Abe,Shoichi Ohi, Naoaki Itakura
    • 雑誌名

      IEEJ Transaction on Electronics, Information and Systems

      巻: 137 ページ: 645-651

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.137.645

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 斜め視線移動を用いた多選択肢入力インタフェースの開発2017

    • 著者名/発表者名
      松野省吾、伊藤雄太、明比宏太、板倉直明、水野統太、水戸和幸
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 137 ページ: 621-627

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.137.621

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transient型VEP解析手法を用いた脳波インタフェースにおける指標点灯間隔および輝度の変化を利用した多選択肢化の検討2017

    • 著者名/発表者名
      松野省吾、王夢夢、相沢彰吾、板倉直明、水野統太、水戸和幸
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 137 ページ: 616-620

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.137.616

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ビデオカメラを用いた非接触な視線入力インタフェースの検討2017

    • 著者名/発表者名
      明比宏太、松野省吾、板倉直明、水野統太、水戸和幸
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 137 ページ: 628-633

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.137.628

    • 査読あり
  • [学会発表] Input Interface Suitable for Touch Panel Operation on a small Screen2016

    • 著者名/発表者名
      Susumu Chida, Shogo Matsuno, Naoaki Itakura and Tota Mizuno
    • 学会等名
      IEEE Region 10 Conference 2016 (TENCON)
    • 発表場所
      シンガポール(シンガポール)
    • 年月日
      2016-11-22 – 2016-11-25
    • 国際学会
  • [学会発表] Development of Small Device for the Brain Computer interface with Transient VEP Analysis2016

    • 著者名/発表者名
      Ryohei Osano, Masato Ikai, Shogo Matsuno, Naoaki Itakura and Tota Mizuno
    • 学会等名
      IEEE Region 10 Conference 2016 (TENCON)
    • 発表場所
      シンガポール(シンガポール)
    • 年月日
      2016-11-22 – 2016-11-25
    • 国際学会
  • [学会発表] Eye-Movement Measurement for Operating a Smart Device: A Small-Screen Line-of-Sight Input system2016

    • 著者名/発表者名
      Shogo Matsuno, Sorao Saitoh, Susumu Chida, Kota Akehi, Naoaki Itakura, Tota Mizuno and Kazuyuki Mito
    • 学会等名
      IEEE Region 10 Conference 2016 (TENCON)
    • 発表場所
      シンガポール(シンガポール)
    • 年月日
      2016-11-22 – 2016-11-25
    • 国際学会
  • [学会発表] Study of an Intention Communication Assisting System using Eye Movement2016

    • 著者名/発表者名
      Shogo Matsuno, Yuta Ito, Naoaki Itakura, Tota Mizuno, Kazuyuki Mito
    • 学会等名
      15th International Conference on Computers Helping People with Special Needs(ICCHP)
    • 発表場所
      リンツ(オーストリア)
    • 年月日
      2016-07-13 – 2016-07-15
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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