研究課題/領域番号 |
16K01539
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
姜 銀来 電気通信大学, 脳科学ライフサポート研究センター, 准教授 (70508340)
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研究分担者 |
横井 浩史 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90271634)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 導電性高分子 / 表面筋電図 / 筋電義手 |
研究実績の概要 |
障碍者にも容易に使えて安定的なsEMG(表面筋電図)信号を計測できる計測法は、sEMGを制御信号とする福祉機器の実用化のための重要な課題である.本研究は、材料科学と電子工学と情報工学との複合領域的なアプローチで実用性の高いsEMG計測・解析法を開発する.
H29年度は,電極の材料において,導電性カーボンブラックを混入したシリコンゴムを用いた、柔軟な筋電電極を開発と基本性能の評価を行った.カーボンブラックの濃度を変えることで、筋電電極の導電性を調整し、導電性と計測された信号のSN比との関係を調べた.電極の導電性が高いほど良いことではなく、最適濃度が2~3%の間になることが分かった.また,金メッキ線と導電性シリコンをハイブリッドした電極を開発し,より安定的な筋電信号計測を実現した.筋電信号計測回路において,信号源インピーダンスの影響を調べるために、小型インピーダンス計測装置を開発し、筋電とインピーダンスとの同時計測を実現した.信号源インピーダンスに基づいた電極配置の探索、及び筋電信号の評価が可能となった.また,インピーダンスと筋電信号との両方を利用したマルチモーダルな識別方法の構築も可能となった.筋電信号の解析において,筋電信号の経時的変化に対応するために群知能を利用した新しい筋電識別法を構築した.筋電義手の制御に想定される7動作(安静,握り,開き,掌屈,背屈,手首の回内,回外)を用いた評価実験を行た結果,パラメータの最適化により,筋電義手を制御するための筋電信号を高精度で識別できることが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
H29年度において、電極材料の最適化と、計測回路の改善と、筋電信号解析法の開発との三つの課題はすべて順調に進展していた.次年度の課題である筋電義手の制御への応用も一部前倒しに実施したので、評価区分を「当初の計画以上に進展している」とした.
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の32chのAD コンバータは、共同研究先の装置を使用したため、残額が生じた。
電子物品と計測機器の購入費及び国際学会発表のため旅費に使う予定である。
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