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2016 年度 実施状況報告書

神経・筋難病患者等のコミュニケーション様態におけるストレス評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K01552
研究機関島根大学

研究代表者

伊藤 史人  島根大学, 総合理工学研究科, 助教 (10583669)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード重度障害者 / ALS / SMA / ストレス / コミュニケーション / 意思伝達 / アミラーゼ / だ液
研究実績の概要

主にALSおよびSMA患者の生活等の現況調査を行い、対してストレスの主要因について調べた。方法は訪問による聞き取りによるものである。対象者は29名である。その結果、個人差はあるものの、主なストレス要因はコミュニケーション手段の制限にあることが確認できた。ALSについては高齢での発病が多いため、認知症の症状がみられた例が散見された。この場合、コミュニケーション様態の捉え方を再考する必要がある。なお、重度の場合は実験協力者の対象からは外す。SMAについては小児の例がほとんどであるので、一概には大人の考えるコミュニケーションとは異なるものであるが、「意思の表出」という情報伝達の側面では同様である。
一方で、男性においては性的満足感の不足によるストレスがあることがわかった。これは、当初の想定には無かったものなので今後の適切な研究実施内容の変更が必要と考えられる。
ストレス評価の定量化においては、だ液中のアミラーゼを計測する方法を取っているが、実際の生活環境でそれを行うのは困難がともなった。少なくとも一定周期で取り続けるのは、その間に医療的ケアがあれば不可能となる。頻度については、アミラーゼによるストレス状態の変化は比較的急性のものであるため、より最適な間隔を決定すべきであることがわかった。現在はおおむね5-10分程度で実施している。
今後は、これらの計測手法を確定しつつ、実験協力者の選定を進めていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ストレスの原因はおおむね事前の予測どおりであり、実験協力者は当初予定していた20名程度を揃えることができた。一方で、男性においてはそれ以外の要素が大きいこともわかった。しかしながら、その欲求を制御することは本研究の範囲を超えるので対策をとることは極めて難しい。

今後の研究の推進方策

全体の実験協力者のうち、比較的若い層で上記の問題が起きやすいと考えられるため、年齢等の属性をより考慮したストレス評価を行っていく必要がある。
実験協力者のうち、ALS患者について60歳以上と比較的年齢が高い傾向があるため、認知的な症状を呈している場合がある。本研究の期間でその症状が進行する可能性があるので、症状が謙虚である場合は対象から外すなどの対応が必要である。
本研究については多くの患者当事者や家族からも注目されている。より多くの協力者を得るためにもWebサイト等も利用して研究の周知をはかっていきたい

次年度使用額が生じた理由

ストレスの要因がコミュニケーション様態以外でも無視できないものがあった。そのため、追加の調査が必要になったた。当初計画であればアミラーゼによるストレスマーカー試験を実施する予定であったが、主要因の調査を先行したためにマーカー試験は延期した。予算案では、マーカー試験に必要な機器および試薬を購入する予定であったが、それらを繰り越したために予算が余ることとなった。

次年度使用額の使用計画

2017年8月までには予定していた機器および試薬を購入したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 成功体験から導くコミュニケーション支援2017

    • 著者名/発表者名
      伊藤史人
    • 学会等名
      第27回全国難病センター研究会(三重)
    • 発表場所
      津市アストプラザ
    • 年月日
      2017-02-17 – 2017-02-18
  • [備考] ポランの広場

    • URL

      http://www.poran.net/

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公開日: 2018-01-16  

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