研究課題
本研究は,人・高齢者に装着したカメラから得られる前方周囲環境の映像を解析するマイビジョンシステムにより,カメラ装着者自身の歩行動作・姿勢を定量的に評価するウェアラブルな歩行支援システムの開発を目的とする.映像解析から得られる歩行環境情報により利用者自身の歩行形態を理解し,その歩行動作・姿勢の改善を促すことができる.H28-29年度は次の手法を開発した.連続する2画像に対して,AKAZE(特徴点抽出法)を用いて特徴点の抽出と対応付けを行い,エピポーラ幾何を用いて特徴点の3次元位置及びカメラの回転行列を求める.この回転行列を各軸(X,Y,Z)回りの回転成分に分解し,2画像間の相対的な角度変化量を求める.この変化量をカメラ装着者の姿勢と見なし,変化量の蓄積により,カメラ装着者の歩行姿勢を求める.H30年度は,上記の手法を実映像に適用して,測定精度の評価を行った.また,歩行動作の指標となる歩行率の精度評価を行った.人に装着したカメラ装置(小型カメラと9軸センサ)を用いて屋内外の実歩行環境下で,(a)通常歩行(10映像),(b)右足を引きずる歩行(5映像),(c)右肩が下がった状態の歩行(5映像)の計3種類の歩行動作における前方環境映像を取得した.9軸センサから出力される回転角を真値とし,各実験映像に対して3フレーム間隔で歩行者の姿勢を推定し,平均2乗誤差を用いて,真値に対する各歩行動作から得られたX,Y,Zの3軸回りの角度の誤差評価を行った.その結果,各軸とも6[deg]未満の誤差であった.また,各歩行動作におけるY軸回り(体幹の前後方向の揺れ度)とZ軸回り(体幹の上下の揺れ度)の角度変化に対し高速フーリエ変換を行って振幅スペクトルを求め,振幅が最大となる周波数を用いて歩数と歩行率(単位時間当たりの歩数)を求めた.その結果,歩数は10%未満,歩行率は10%程度の誤差が含まれた.
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