電力中央研究所が保有する独居高齢者11世帯の1分毎総負荷電流(1年分)を用いてスマートメーターが出力すると想定される30分間総消費電力量のデータベースを作成し、このデータベースとその期間における居住者の時間帯別在不在状況アンケート結果を用いて、居住者の生活状態を推定するアルゴリズム(見守りアルゴリズム)を開発した。また、大阪大学が保有する実家庭38世帯の30分間総消費電力量ならびに各世帯に設置されたエアコンの30分間消費電力量(2年分)を用いて、30分間総消費電力量からエアコンの動作状態を推定するアルゴリズム(熱中症予防アルゴリズム)を開発した。 この生活状態推定アルゴリズムとエアコン動作状態推定アルゴリズムを実装した見守り・熱中症予防システムのプロトタイプを構築した上で、実際の独居高齢者7世帯を対象に、システムの性能検証試験を約18ヶ月間実施した。収集したデータを用いてプロトタイプの性能向上を図るとともに、その有効性の検証を行った。その結果、構築した見守り・熱中症予防システムは十分な性能と実用性を有するものと判断した。 以上の成果は、電気学会の電子・情報・システム部門誌に1件(査読付論文)および関東学院大学理工/建築・環境学会研究報告に1件(査読付論文)が掲載された。また、電気学会の電子・情報・システム部門大会において6件、電気学会の全国大会において2件、IEEE(米国電気電子学会)のInternational Conference on Consumer Electronics(国際会議)において2件、IEEEのGlobal Conference on Consumer Electronics(国際会議)において2件発表した。さらに特許も1件出願した。
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