研究課題
本研究は皮質脳波から念じた運動に関する各関節の運動情報(関節角度、角速度など)と力学情報(関節トルク、関節の粘弾性など)を同時に予測する手法を提案し、それを用いてパワーアシストの粘弾性を制御する新たなリハビリテーションの基盤技術の構築することである。平成28年度では大阪大学病院から患者のデータを入手して解析を行い、皮質脳波から運動情報と力学情報を同時に予測することに成功した。3人の被験者は重さが異なる3種類のペットボトルを指定した経由点を通過する2点間の到達運動を行なった。提案手法を用いて皮質脳波から力学情報(筋電信号)と運動情報(軌道)を再現することができた。この結果をScientific Reports誌に発表した。平成29年度では物体とのインタラクションが可能なパワーアシストの製作を行った。3Dプリンターを導入することでロボットアームの設計とプロトタイプのパワーアシストが製作できた。パワーアシストに人間のような粘弾性の性質を持たせるため、空気圧の人口筋肉とリニアモータが直列で繋がっているシリアル型ハイブリッド人工筋肉を考案した。この人工筋肉は空気圧によって粘弾性の調節を、リニアモータによって筋肉の長さを制御する。さらに、パワーアシストに筋電信号の電極を埋め込む必要があるため柔らかい電極の開発もパワーアシスト製作と同時に設計を行った。この結果を国内外に発表を行った。平成30年度では患者の皮質脳波は治療の目的で1週間しか入れないことと、運動野まで電極を入れるケースがかなり少ないため、サルの皮質脳波を用いて関節角度を推定し、4DOFのロボットアームの制御を行った。この結果をComputational Intelligence and Neuroscience誌に発表した。さらに、皮質脳波の代わりに定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を用いてロボットアームの制御も行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
International Journal of Information and Electronics Engineering
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