目的:レッグエクステンションマシンを用いた膝関節伸展運動は,膝関節最大伸展後に重錘が自由落下するため,膝関節屈曲方向の力が加わる.そのため重錘の最大挙上位保持には,膝関節伸展筋の遠心性収縮が必要である.この1RMの負荷量設定に必要のない遠心性収縮によって,膝関節伸展筋の筋疲労が蓄積し,膝伸展トルク値の信頼性を低下させる可能性が考えられる.逆回転防止器を付与したレッグエクステンションマシンを用いて,改良前後における膝関節伸展時の関節トルクと角速度との関係を検証する. 方法:健常男性21名(平均年齢27.7 ± 5.4歳).レッグエクステンションマシンは,重錘の自由落下による逆回転を防止するよう改良した.この改良したレッグエクステンションマシンを用いて膝伸展運動を被験者に行わせた.膝関節伸展運動は二次元動作解析を行い,角速度と関節トルクを算出した.そして,角速度と関節トルクの回帰式より最大等尺性トルク推定を行った. 結果:レッグエクステンションマシン改良前後で角速度と関節トルク共に増加を認めたものの有意差には至らなかった.最大等尺性トルクの推定値も有意差を認めなかった.結語:改良したレッグエクステンションマシンは,得られる角速度と関節トルク,最大等尺性トルクの推定値が変化しないことから,より安全に膝伸展筋トルクを発揮できると考える.
|