研究課題/領域番号 |
16K01577
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研究機関 | びわこ学院大学 |
研究代表者 |
内藤 紀代子 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 教授 (30433238)
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研究分担者 |
遠藤 善裕 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40263040)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 客員教授 (60220042)
二宮 早苗 京都大学, 医学研究科, 助教 (70582146)
齋藤 祥乃 藍野大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80553784)
岡山 久代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90335050)
古川 洋子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (00405234)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | MR画像 / 産後女性 / 骨盤底筋トレーニング / 効果検証 / MR動画 |
研究実績の概要 |
産後の骨盤底筋弛緩がもたらす症状により、多くの女性が生活の質(QOL)を低下させている。この予防として、セルフケアである骨盤底筋体操の啓発がなされてきた。しかし、効果的な骨盤底筋体操が実行されているのかを確認するバイオフィードバックツールに現段階では限界があった。そこで、本研究ではこれまでに試みられていなかったリアルタイム撮像が可能な用具を用い、対象者と援助者が同時に体操の効果を即時に確認しながら骨盤底筋体操の評価ができるバイオフィードバックの開発と検証を行う。 本研究の2つの目的:1.リアルタイム撮像が可能なMRを用いて骨盤底筋トレーニングのバイオフィードバック効果を検証する。2.骨盤底筋弛緩の症状別にバイオフィードバックの効果が異なるのかを明らかにする。 <今年度の研究成果> 1つ目の研究目的に対する成果:PFMトレーニング装置による骨盤底筋総合スコア点の3群比較(MR動画による骨盤底筋トレーニング、従来の骨盤底筋トレーニング、コントロール群)においては、MR動画による骨盤底筋トレーニング群は他の群に比べてスコア点が有意に高かった(P<0.01)。 さらに、MRを用いてのバイオフィードバックから、携帯可能な小型超音波診断装置を用いたバイオフィードバックの効果検証に研究を移行し、プレテストを行った。この実験道具はMRのように設定された場所、条件、撮影時間の拘束を受けず、研究協力者に負担の少ない状況で、骨盤底筋トレーニングのバイオフィードバックが行える。また、ラグタイムなく骨盤底筋の収縮・弛緩の状態をリアルタイムに確認できることがプレテストで確認できた。 2つ目の研究目的に対する成果:骨盤底筋弛緩の症状別にバイオフィードバックの効果が異なるのかを検証するため、腹圧性、混合性、切迫性尿失禁症状を有する研究協力者のリクルートを行い実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
<研究が当初計画通りに進まない時の対応> 本研究ではRTI MRによるバイオフィードバック効果を検証することが課題である。MRの使用にあたっては研究分担者のMR専門医師にアドバイスを頂く。万が一、RTI MRの使用が困難時は滋賀医科大学に設置されている縦型オープンMRを利用しての実験に切り替えて研究を遂行する。研究全般の遂行に関するトラブルは滋賀医科大学研究コーディネータに要因の分析を依頼し対策と改善を適時行う。 H29年度末にMRがクエンチしたため、MR専門医師やコーディネータと相談し安全が確保できないMRの使用は中止し、MRに代わり同じ実験効果が期待される用具として、携帯型超音波診断装置を用いリアルタイムに骨盤底筋トレーニングの効果を評価している。
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今後の研究の推進方策 |
<今後の推進方策> 1.骨盤底筋体操習得者と体操の未習得者での比較研究 リアルタイムなフィードバックツールとして超音波診断装置が広範の対象に応用できるのかを分析する。2群での特徴が明らかになれば、それぞれに応じたトレーニング方法を研究分担者や理学療法士のアドバイスのもと開発し効果を超音波診断装置にて確認する。 体操の習得有無と他の因子(属性、生活習慣、症状(尿もれの回数、QOL評価質問票、ICIQ-SF)との関連を明らかにする。2.PMFトレナー、超音波によるバイオフィードバック効果の比較をおこなう。3.症状別(腹圧性、混合性、切迫性尿失禁)によるバイオフィードバックの効果検証を行う。 <研究計画の変更、遂行する上での課題> 1.現在、MRがクエンチしているため、携帯型超音波診断装置にて実験用具を変更させ研究を遂行させていく。2.MR動画は研究協力者に理解し難い画像のため、MR動画からカラーアニメーション動画作成を行う。また、その指導媒体についても効果検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、本研究のMR画像補助、骨盤底筋体操の指導、PFMトレーナー測定に関して、研究分担者ではなく研究代表者が実施ししたため、研究分担者により研究費の予定額が使用されなかった。
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