研究課題/領域番号 |
16K01587
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
徳井 亜加根 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 学院(研究所併任), 義肢装具士 (30627683)
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研究分担者 |
高嶋 孝倫 長野保健医療大学, 保健科学部, 教授 (00425654)
岡田 充弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40309571)
塩田 琴美 早稲田大学, 重点領域研究機構, その他(招聘研究員) (50453486)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / ダイナミックスプリント / 装具 / 計測デバイス |
研究実績の概要 |
関節リウマチ患者におけるMP関節人工関節置換術や手指伸筋腱再建術の術後早期運動療法で用いられるダイナミックスプリントでは,手指の他動伸展かつ自動屈曲が可能な伸展トルクが求められる.握力の低下している関節リウマチ患者に対するダイナミックスプリントにおける伸展トルクの設定値を明らかにし,ダイナミックスプリントを用いた他動伸展・自動屈曲の実施状況を明らかにするために,ロードセルを搭載したアウトリガー型計測デバイスを製作した. 本計測デバイスは,ダイナミックスプリントのパーツであるアウトリガーに計測デバイスとしての機能を持たせ,従来型のアウトリガーを本デバイスに交換することにより装具としての機能だけではなく,計測デバイスとして装具装着時の運動量を定量化しようとするものである.本デバイスでは,ロードセル(SC616C-500g, Sensor and Control Co., Ltd.)を4個搭載し,引張バネを用いて手指に装着した指カフと連結した。ロードセルで検出したデータはセンサインターフェース(1046-PhidgetBridge 4-Input, Phidgets Inc.)を通してパソコンに収録し,ディスプレイ上でリアルタイムグラフによりデータを確認できるようにした。 本計測デバイスにより,他動伸展・自動屈曲を実現しながら,手指運動時の伸展補助力の変化,屈伸回数の計測が可能となり,バネの伸びから関節可動域の変化についても算出が可能であると確認した。製作した計測デバイスは義肢装具士,作業療法士のいずれもが使用できるアウトリガー型となっており,治療を行いながら機能評価も並行して行う装具の新たな役割が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計測デバイスの製作が遅れたため,対象者に対する計測が遅れている.当初の計画では計測により明らかになった伸展トルクを具備し,軽量かつコンパクトな新スプリントを製作する予定であったが,学会発表時に,手指運動量を定量化する計測デバイスの重要性を指摘する意見があったため,新スプリントのコンセプトを「装具に計測デバイスとしての機能を持たせ,装具装着中の患者の手指運動量を定量化すること」に変更した.
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今後の研究の推進方策 |
製作した計測デバイスからパソコンには有線でデータ転送しているが,現在,無線でデータ転送するシステムを開発中である.このことにより,術後患者のリハビリ室における訓練時間以外の手指運動量,すなわち1日の手指運動量を明らかにすることが可能となる. 今後は計測デバイスの有線システムにおける計測を引き続き進めるとともに,無線データ転送システムを完成させ,対象者による計測を実施したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿にかかる諸経費(翻訳料,校正料,投稿料等)および,計測デバイスの改良および無線通信システム構築のための材料費として計上した.
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