研究課題/領域番号 |
16K01591
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10382540)
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研究分担者 |
山内 潤一郎 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70552321)
小山 桂史 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 准教授 (70637090)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子ども / 体力 / 筋力 / 足指 / 足趾 / 運動 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,小児期から若年成人期までの足指屈曲力および足部形態の発育・発達を調査すること,それらから体力・運動能力の発達における足部機能の関与を明らかにすることを目的としている. 研究初年度に調査した足指筋力と握力の発達傾向に関する分析より,体力テストのひとつである握力(手指把持力)は小学生から大学生までほぼ直線的な増加傾向を示していたが,足指部の把持力である足指屈曲力のそれらの年代での発達傾向は非直線的な増加であることが明らかとなった.具体的には小学生から成長に伴い足指屈曲力の増加があり,中学生の高学年ごろまでには成人とほぼ同様なレベルまで足指屈曲筋力が増加し,その後若年成人期である大学生まではほぼ一定であった.この知見より,足指屈曲筋力の発達傾向が握力に代表される他の体力指標より早熟な傾向にあることを示し,特に二足歩行動作という移動能力の獲得に有利に作用しうるものといえる.この研究結果は最終年度に海外学術雑誌(European Journal of Applied Physiology)にて発表した.また,研究2年目に測定した足指への垂直荷重による足部縦アーチの可変性が足指屈曲力に及ぼす影響についての実験的研究は,足部への垂直荷重によって足指屈曲筋力の増強がみられることを明らかとした.現在このデータを学術誌で公表すべく論文執筆中である. 最終年度である研究3年目に調査した小中学生での足部筋機能と運動習慣との関連性より,運動部活動を実施している小中学生や,日常の運動量が多い小中学生ほど高い足指屈曲力を示した.また,週1回2時間分の中学校保健体育における「武道」によっても足指筋力の増加がみられた.これは短期間かつ週1回という頻度の活動であっても足部筋機能の向上が得られることを示す.今後も研究2年目および3年目のデータを詳細に解析し,研究課題のさらなる進展を図る.
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