研究課題/領域番号 |
16K01595
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久代 恵介 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60361599)
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研究分担者 |
小高 泰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 自動車ヒューマンファクター研究センター, 主任研究員 (10205411)
山本 真史 日本福祉大学, スポーツ科学部, 助教 (40736526)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動パフォーマンス / 感覚 / 空間 / 認知 / 身体 |
研究実績の概要 |
われわれは運動を行う際に、無意識下で運動が達成可能かどうかを判断しながら行動を選択し遂行している。これに関連し、当該年度は上肢運動の到達可能性を判断させる課題に取り組んだ。実験では、上肢到達運動を行なわずに到達可能性を判断する認知課題と、実際に運動を行う運動課題を実施し、両者を比較した。これにより、身体周辺の近位空間における運動の達成可能性の拡がりが物理空間と異なるか否かを調べた。参加者は椅子に座し身体前方の机上に設置された標的(LEDボタン)への上肢運動を想定した認知課題と、実際の運動課題に取り組んだ。参加者の身体前面に位置する運動開始点から前方および左右45°の方向に、上肢の最遠到達位置(100%)をもとに5つの標的(20、40、60、および80%)を設置した。認知課題では、各LED点灯中に到達可能と判断する可能性が50%となる主観的な等価時間(PSE)を求めた。運動課題では、実際の到達運動時間(RT)を測定した。PSEおよびRTが、標的の距離と運動方向の2つの要因によりいかに影響されるかを調べ、上肢到達運動における主観と客観のずれを定量的に評価した。解析の結果、両課題ともに標的の距離と運動方向による主効果が見られた。PSEとRTは距離とともに伸延し、単位距離あたりの両者は運動に用いる上肢側(右方向)が有意に短くなった。PSEからRTを差し引き主観と客観のずれを評価したところ、身体近くの標的における値が有意に大きく、運動達成の可能性が過大に評価されていることが示唆された。このことから、身体周辺に拡がる運動に関わる認知空間は均質ではなく、いくつかの変数により歪められている可能性が示唆された。
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