研究課題/領域番号 |
16K01601
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
緑川 泰史 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (50434345)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 身体組成 / 子ども / 脂肪量 / 骨格筋量 / MRI / 推定式 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、新型コロナウィルスに対する感染リスクから中学生を守るために、測定を実施しなかった。令和3年度に測定実施可能な状況になれば、対象者を増やし、目的としている全身および部位別骨格筋量の基礎資料作りに関するデータを蓄積していきたい。 昨年度に引き続き、推定式作成に妥当なデータ数を確保できている思春期前(6~12歳)の男子86名を対象に骨格筋体積推定式開発を試み、思春期にある子どもへの応用可能性を探った。その結果、周囲径と皮脂厚から筋骨横断面積を算出することで、昨年度に報告した思春期前の子どもの全身および四肢(腕、大腿、下腿)の他(下腿部のみ系統誤差を観察)、腹腔に内臓臓器が存在するため筋骨横断面積の算出が難しい体幹部の骨格筋体積も正確に推定することができた(実測値 vs. 推定値平均値、全身:9101 vs. 8978 cm3、腕:832 vs. 829 cm3、体幹:3516 vs. 3604 cm3、大腿:3566 vs. 3466 cm3、下腿:1187 vs. 1170 cm3)。同様に、女子56名を対象に、全身および部位別の骨格筋体積推定式開発を試みた結果、腕部と下腿部に系統誤差が認められたものの、比較的高い精度で推定可能であると考えられた(実測値 vs. 推定値平均値、全身:7858 vs. 7868 cm3、腕:725 vs. 707 cm3、体幹:2989 vs. 2976 cm3、大腿:3055 vs. 3045 cm3、下腿:1089 vs. 1066 cm3)。これらの結果を踏まえると、思春期にある子どもの骨格筋量推定式の開発時にも、筋骨横断面積をパラメータして利用可能であると推測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
骨格筋量測定のゴールドスタンダードであるMR装置の入れ替えが2019年3月に終了し、その後、再度新しい撮像プロトコルの確認・検討が必要となり、準備に時間を要した。加えて、中学生の夏休み期間中である2019年7月8月には測定を実施できたものの、2020年3月以降は、新型コロナウィルスに対する感染リスクから中学生を完全に守ることができないと判断したため測定を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度同様に、新型コロナウィルスの感染状況を踏まえて、対象者の安全を確保できた場合のみ、測定を実施する予定である。本研究に付随する思春期前子どもを対象とした骨格筋体積推定式に関する解析が進んだため、論文投稿に移行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度同様に、新型コロナウィルス感染拡大によって測定が計画通りに実施できていないが、測定可能な状況になった場合には、これまで同様に対象者人数分の謝金やMR画像分析代を中心に支出が予想される。また、論文のオープンアクセス化に伴う費用も支出予定である。
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