研究課題/領域番号 |
16K01602
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
吉永 真理 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (20384018)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 遊び環境 / 地域参画型研究 / 地理情報システム / 子ども / 心身発達 |
研究実績の概要 |
1.対象地域の住民と進める外遊び実態把握 地域参画型研究デザインによって、遊び環境が子どもの心身発達に与える影響を調べるための準備段階の活動を行った。世田谷区全体の外遊び活動の推進を目指す官民協働の「そとあそびプロジェクト・せたがや」と連携して、砧地域の外遊び拠点づくりの基盤強化に向けた話し合いやイベント開催のサポートを行った。合わせて調査に必要な機器の購入を進めた。 2.緑と青の環境調査ワークショップの実施 富山大学准教授大西宏治先生を招き、3月27日に地域の小学校に呼びかけて集めた子どもとともにまち歩きを行い、その後GPSで収集したデータを地図上に行動の軌跡として落とし込んで、環境と行動の関係性について話し合った。子どもの発達段階や行動特性によって遊び場選択行動が異なることが把握できて、参加者を増やすことでより詳細な分析につながることがわかった。また、気分尺度とまちへの愛着度尺度を使って、まち歩き前後の変化を測定した。当日の天候の影響などを考慮して、測定を行う必要性が明らかになった(当日、降雨で非常に寒く、気分変化がその影響を受けた)。さらに、子どもたちの遊び場は徒歩圏内もしくは中学年以上は自転車行動範囲内のため、当初2校と予定していた調査対象校を1校増やす必要が出てきた。このワークショップの準備として2月27日に同地域の自然環境把握をGPSも用いて行動軌跡を記録しながら実施、その際、多摩川流域の自然環境に詳しいNPO法人せたがや水辺デザインネットワーク・スタッフの支援を受けた。 3.質問紙調査実施校との交渉 砧地域の小学校2校に質問紙調査の依頼を行った。学校によって事情が異なるので、PTAとの協力や総合学習などの時間枠を活用して平成29年度に調査実施する予定を組んだ。質問項目の選定のため、先行研究の翻訳作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度内に実施する講演会・ワークショップや調査依頼を終了している。 一部予備的な研究を実施し、次年度の本調査に向けた質問項目の選定作業がほぼ終了できた。あとは実施校の確認を得る必要がある。 地域住民による参画型の活動体「そとあそびプロジェクト・せたがや」が組織基盤づくりを進めており、その過程に合わせて連携・協働を進めているので、地域内の外遊びについての意識醸成のための実践についてもほぼ予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度末の交渉により、小学校における質問紙調査の実施を行う。 そのために、まず小学校のPTAと打ち合わせを行い、家庭教育に関連する研修機会にこの地域参画型研究の目的と内容を説明し、参加を呼び掛けることになっている。これは当初の予定にはなかったことで、「地域参画」を進めるうえではポジティブな変更であると考える。 当該地域の子どもたちの遊び環境が地域ごとに偏在しており、当初2校を対象に調査を行う予定であったが、1校追加する必要が出てきた。 新年度はその交渉を先行させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、GPSの機械をワークショップ参加者分購入予定であったが、富山大学から貸与をうけることができたので、その分の予算を使わなかった。また参加者数が大幅に少なかったので、その分の資料代、会議費用等が少なくて済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の戸外活動の参加者予測に沿って機器の購入を進める予定である。 昨年度富山大学にお借りしたGISソフトについても情報収集して購入予定である。
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