本研究は体育の学習内容について子どもの描画分析とインタビューの分析によって、小学校体育での子どもの学習内容を検証することを目的としている。 研究方法のデータの収集については、体育の1単元の授業について、毎時間終了後に学習者である子どもに学んだ点やコツについて描画で描き説明文を記入して貰った。また、何人かの抽出児(学習に積極的に関わっていた児童、または、描いた描画が興味深かった児童)についてはグループインタビューを実施し、学習について描いた描画について回答してもらった。分析方法については、質的研究法を用い、描画の内容やインタビューを内容毎に分類、概念化し結果を導いた。 今年度については、これまで未発表であったボール運動領域一単元のデータを分析、まとめ、国際学会にて発表した。分析の結果は以下に示す。 ボール運動(ネット型)領域については、3年生を対象としたネット型教材、バレーボールの技能習得の単元、8時間1単元の授業を分析した。本授業では、ソフトバレーボールを使用し、アンダーハンドパス、オーバーハンドパス、サイドハンドパスの技能を児童同士の助け合いや動きのコツを探し・共有することにより、習得することを学習した。分析の結果、上位、成功、失敗、動きの工夫、他者、努力、試行錯誤、問題解決の大概念が明らかとなった。この結果から、本ボール運動の学習の中で、児童は多くの動きのこつを見つけることができ、仲間間のサポートで動機づけが高まり、試行錯誤の中で問題解決をしながら、自分のよりよい動きを追求していることが明らかとなった。
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