研究課題/領域番号 |
16K01612
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
寺山 由美 筑波大学, 体育系, 准教授 (60316784)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 表現運動 / ダンス / 表現する / 学習内容 / 体育学習 |
研究実績の概要 |
今年度の研究目的は、「動きが表現になる瞬間」の言語化であった。 昨年度は、身体で「表現すること」の理論を整理した。その成果は、「『表現運動・ダンス』領域における『身体表現』-『意図のある動き』の形成から捉え直す-」と題し、研究論文を発表することができた。 今年度は、即興表現に定評のある指導者の授業を半年間観察した。そして、その指導者がどのように学習者を導いているかを記録した。また、指導者の行為についてなぜそのようにしたのかをインタビュー調査を行って記録した。指導者の指導法や学習者への声掛けを通して、「動き」から「表現のある動き」に移行する瞬間を明らかにできるものと考えている。細かな分析は、次年度に持ち越すことになるが、このデータから、「動きが表現になる瞬間」の言語化が期待できる。授業観察から見えた言語化という観点ではない要因として、「自主性の喚起」「音楽の選定」「空間の指定」があげられた。指導者は、学習者が「やらされている」のではなく、自ら動きを探求するように誘導していきながら、課題に相応しい音楽をしようしていた。このことにより、学習者はいつも間にか表現性の高い動きへと変化していった。また、指導者が提示する即興課題は、空間性を意識しているものが多かったのも特徴的であった。 今年度は、自らの指導を受講した学生や教員に同一のアンケート調査を行った。これらのデータから、受講生が「いつもの間にか」表現していたと感じられる教材を明確にすることができると考えられる。今年度も引き続き、このアンケート調査を継続してデータを収集したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、ダンス指導に定評のある指導者の授業観察を行うことができたので、貴重なデータを収集することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、取集したデータの分析を行い、研究のまとめに向かいたい。これまでに数名のダンス指導者の記録を分析することで、彼らに共通する項目を明らかにし、ダンス指導のある方法を提示することを目標としたい。 また、次年度は、これまでできなかった海外での調査を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、調査に出ることができなかったため、予算を使うことができなかった。旅費は次年度に使用したい。
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