研究実績の概要 |
平成29年度の目的は, 複数の公立小学校において表現運動の実践を行い, その有効性に関する分析データを得ることを中心課題とし, それらを踏まえて客観的検証のための方法を探究することであった。実践はまだ着手できていないが, 以下の成果が得られた。 1.12月に日本教育大学協会保健体育・保健研究部門舞踊研究会主催・宇都宮大学主管による第37回全国創作舞踊研究発表会を開催し, その中でシンポジウム「舞踊教育の未来を考える」を企画し, 2名の講師に基調講演を依頼するとともにその後質疑応答を通して舞踊教育の意義と課題について協議した(大学教員及び学生約100名参加)。また,舞踊作品発表の特別出演として県内中学校・高等学校のダンス部作品を招請し,中高大連携を考える上での参考とした。 2.小学校教科3回の実技において,授業後指導意欲が大きく伸びたクラスと停滞したクラスを比較することにより,有効な実践的指導力の修得に関して,事例考察をさらに深めることを目的として検討した結果,以下のことが考察された。指導意欲には,性差,中学校時のダンス経験,ダンス好きが関連している。授業を通して,「楽しさ」を感じ,そこから「できる」につながり,指導意欲を形成していく過程が示唆された。 3.本学部後期内地留学小学校教員の研究テーマである「郷土芸能を題材とした表現運動の教材開発」を指導し,共同研究とした。小学校教員に事前調査を行った後,大学生を対象として,日本民踊の特徴的かつ基本的な動きを習得した上で,動きの工夫へ発展させる授業実践を通して,学生は民踊への関心を深めるとともに自由で創造的な表現を楽しむことができ,学習の継続への意欲を示した。この結果を踏まえて,小学生を対象とした4時間扱いの単元計画と各指導案の検討を行った。小学校教員が作成したDVDは次年度に繋がる内容となった。
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