当初の計画通りに研究を進めることはできなかったが,本研究の成果に関して次の2つの観点から学術的・社会的意義を見出すことができる。第1は運動不振の判定法の改善の観点である。大学生版運動不振尺度の判定基準の検討によって,測定評価の面から運動不振研究の土台を強化できたと思われる。第2は,運動指導の改善の観点である。スポーツの指導場面では運動不振やDCD(発達性協調運動障害)を呈する者の運動技能を向上させることは難しい。今回,学会のシンポジウムや現職教員を対象としたラウンドテーブルにおいて運動不振やDCDを呈する者に対する学習支援について議論できたことは運動指導の実践場面の改善に貢献できたと思われる。
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