研究実績の概要 |
最終年度の令和元年度においては,研究代表者らが本科研費研究の成果を,2020年2月19日にイングランドのロンドンで開催された,International Conference on Developmental Physical Education for Children and Youth (ICDPECY-20)において国際学会発表として公表し(Kohki Uwaizumi, Koji Kuramoto, Shuhei Kitagawa, Shingo Takane.: Adaptation of Social Emotions for Introducing Tactical Periodization into Japanese Soccer.〔ICDPECY-20〕, SCIENCESOCIETY_31409, 2020, London, UK),そのほか国内学会誌および国際学会誌にも原著論文としていくつか掲載を行なっている(上泉康樹,北川修平「サッカーのゲームの分析のための原理論構築に向けたスポーツ現象学に関する研究―ゴール型集団球技スポーツの身体性について―」,身体運動文化研究,第25巻(1),1-19頁,2020)。また,2020年3月9日~10日には,科研費最終年度成果発表会および国内研究会を京都教育大学教育学部において開催し,研究成果の著書出版についても具体的な立案を行なった。 なお,研究期間全体としては,現象学や知識生態学,戦術的ピリオダイゼーションなどの理論的研究,および,欧州におけるトップレベルのサッカーやブラインドサッカーの現地調査・インタヴュー調査・映像分析などの実証的研究により,「手が使えない」(ある意味で障がい者)スポーツとしてのサッカーと「眼が見えない」ブラインドサッカーでは,独自の「スポーツ的共通感覚」が存在し,足で行うスポーツに独特の<触知>が形成されていることを明らかにした。これらの概念内容については,今後さらに精緻な分析が必要であり,実際の体育授業への適用有効性データのさらなる集積が求められる。
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