研究課題/領域番号 |
16K01622
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
上野 耕平 香川大学, 教育学部, 准教授 (20311087)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フェアプレイ / 体ほぐし / 鬼あそび / スポーツマンシップ / なかま鬼 |
研究実績の概要 |
平成28年度は「附属小学校との連携による授業の実施に向けた手続き」と共に,「実際の体育におけるなかま鬼の効果的な実施方法」を確認することを課題としていた。結果的に,本年度は本学附属坂出小学校に協力を依頼し,3年生児童を対象として「体ほぐし運動」の単元の一コマとして試行的に鬼あそびを実施した。 まず授業の実施に向けた手続きに関して,これまで本研究者と附属小学校との間に共同研究の実績はなかったことから,手続きに時間が掛かることを想定していた。しかし,本学体育領域と附属学校体育教員との間には既に強い信頼関係が築かれており,研究の実施に向けた手続きを非常にスムーズに進めることができた。次に,なかま鬼の効果的な実施方法に関して,非常に授業力の高い体育教員の協力を得られたことから,「体ほぐし運動」としてなかま鬼の優れた点を活かした授業の実施方法が構築できた。これまでは学童保育活動中の運動あそびとして実施していたことから,45分間の体育授業における「なかま鬼」の実践方法については手探りの状態にあった。本年度の実践の成果については,模擬授業の時間などを通じてさらに精緻化を図っていく予定である。 他方,介入成果の評価については,評価票の配布・回収のタイミングや担当者などによって,児童の回答に影響を与える可能性が窺われた。児童が落ち着いた状況で回答できるよう,今後の実践に向けて方法を検討する。 以上のように,これまでのところ研究は順調に進んでおり,来年度は対象を広げてなかま鬼を実施する他,援助自己効力感以外の側面(例えば,クラスの居心地感など)への効果についても検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
附属小学校において鬼あそびを中心とした授業を予定通り実施し,来年度以降の本格実施に向けた用意を調えることができた。当初の計画内容を十分にクリアできており,研究は順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降については,現時点では基本的に当初の研究計画に則って実施する予定である。ただし介入成果の評価に関して,「クラスの居心地感」などに評価の観点を広げる予定である。また,対象者の心理社会的発達段階に応じた評価尺度について,介入を実施するなかで対象者からの反応を通じて選択していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外で学会発表を実施する目的で旅費を算出していたが,海外での発表を来年度に延期したため差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年7月にスペインで開催されるヨーロッパスポーツ心理学会において発表予定であり,その際の参加費・旅費として支出する予定である。
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