研究課題/領域番号 |
16K01625
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
押野 修司 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80315712)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 伝承遊び / 巧緻動作 |
研究実績の概要 |
初年次の研究の開始の遅れがあったため,遅れを取り戻すべく,平成28年度に購入した眼球運動測定装置を用いて,分析する伝承遊びの種目を選定し,データ収集する計画で,研究計画書を作成し,研究協力を依頼していた研究協力施設に訪問し,説明を行った.伝承遊びの種目は「お手玉」とし,お手玉が運筆遂行能力などの微細運動にどのような影響があるのか,巧緻動作(ペグボード),運動正確度(運筆課題)の検査,眼球運動測定装置により,実験研究デザインにより明らかにすることを目的とした研究計画を作成した.また,2年次目の平成29年度の研究実施計画は,道具を使用する伝承遊びが,書字動作などの微細運動にどのような影響を及ぼすのか調べる研究のため,標準化された巧緻動作検査を選定した.検討した結果,3歳児から88歳の高齢者までの障害のない健常者約1,000名の協力で基準値が作成されている,箸・ボールペンなどを握る,コイン・ボタンをつまむなどの能力を測定できる,1つのサブテストが最大60秒間で短時間で終了できることなどから,研究協力者への負担が少ないことから,本研究の手指の巧緻動作の評価として最適であると考え購入にいたった. 先行研究では,あやとり,おりがみ,お手玉,けん玉の心理的覚醒度などを成人,高齢者に実施している.また対象児が身体的不器用さを有していることが前提であり,探索的な研究として,まずは先行研究からみて妥当性のある種目を選出し,対象児への適応についても難易度を検討し,実施手順など無理のない計画を立てる予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
眼球運動計測と微細運動計測をそれぞれ実験研究デザインで実施するデータ収集計画を検討したが,協力施設側より研究の意義についての疑問が出されたこと,データ収集などの研究計画の困難さなども相まってデータの収集には至っていない状況である.再度,研究計画を練り直していたが,他の本務に使用する業務時間が増加し,本研究の時間が取れない状況に陥ってしまったため.
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今後の研究の推進方策 |
当初,実験研究デザインでの研究計画を立てており,事前評価,伝承遊びの指導期間,事後評価という計画であったが,先行研究では,あやとり,おりがみ,お手玉,けん玉の心理的覚醒度などを成人,高齢者に実施しているものがほとんどであるため,小学生に対する効果検証したものがほとんどないこと,眼球運動測定をしているものがほとんどないことから,研究としては探索段階と考え,まず,先行研究に従い即時的な影響をみる研究を実施し,その後,眼球運動測定による分析を実施するという2段階で研究を実施するという研究デザインに研究計画を変更する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,6部分からなる筆圧測定装置を購入予定であったが,研究の進捗状況に遅れがあり,また研究デザインの変更も検討しているため,機器購入に至っていない. 筆圧測定装置は,現在,タブレットPC型,ペン型簡易筆圧計など開発されており,持ち運びや計測に時間のかからない装置に変更する予定である.
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