研究課題/領域番号 |
16K01625
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
押野 修司 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80315712)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 伝承遊び / 教示方法 / 協調運動の困難さ / 視線計測 |
研究実績の概要 |
平成30年4月~平成31年3月までデータの収集は実施できなかった。本年度は、研究内容の見直しを行い、残された研究機関内で実施可能な内容とした。その結果、すでに購入している視線計測装置、手指機能評価機器等を用いて、この研究初年度に計画していた内容を実施することを計画した。 研究目的は、大人が発達障害のある児童(以下、児童)に伝承遊びを教示する場合、どのような教示方法が良いのか、児童への伝承遊びを教示している際の児童の視線計測や課題遂行状況から検討し、臨床への示唆を得ることを目的とすることとする。 対象は何らかの発達障害のある児童(診断名や診断の有無を問わず、困っていることやその状況から判断する)とした。伝承遊びの教示については、手本のみ提示、手本と音声、文字での教示を同時に提示、手本を示した後に音声、文字での教示を継時的に提示する動画を用意する。 分析方法は、手指機能評価、視線計測については、軌跡、注視点の時間累積をヒートマップで表示、注視点プロットを実施する。そして、手指機能と視線計測結果の関連を調べる。伝承遊びの種目については、文献よりエビデンスのある遊びを選び、児童も興味関心のあるものを選ぶか、または、通級指導教室などの担当教員が対象児の状況を見て選び、児童も興味関心のあるものを選ぶこととする。 研究データの収集方法は、倫理委員会を6月中に申請し、その後、小学校の発達障害・情緒障害通級指導教室に研究協力を依頼し、研究対象児を紹介いただき、小学校に出向いて、研究の意義、目的、内容を保護者と本人に文書と口頭で説明し、同意を得られた児童を対象とする。そして、指導が終わった後、小学校内でデータ収集を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家族の介護の長期化による。母親は平成28年6月25日に特別養護老人ホームに要介護4の状況で正式に入所した。入所当初は、認知症の周辺症状の予防のため、可能な限り頻回に面会に来てほしいとの要請が施設からあり対応した。以下、介護者(キーパーソン)として対応した。2018年6月15日右側頭部裂傷にて救急搬送。2018年11月20日吐血にて入院。12月6日退院。2018年12月7日施設内で転倒し救急搬送。外来受診。2019年1月17日肺炎にて入院。1月25日退院。2月25日嘔吐と発熱(心不全)にて入院。3月2日嘱託医(主治医)より入院治療か看取り介護かの決断を迫られた。このころから、臨終まで毎週面会。4月1日退院。4月4日「看取り介護確認書」を取り交わした。5月25日危篤との連絡を受け、5月26日11時4分永眠した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度で、最終年度となる。これまでの遅れを、計画当初まで取り戻すことは、困難であるので、まずは冒頭で述べたように、研究計画の見直しを行い、即座に研究に着手したい。また、研究フィールドである、小学校の発達障害・情緒障害通級指導教室と連絡し、研究目的、内容を伝え、協力を取り付けて、計画的に研究を進める。 研究を遂行する上で、課題となることは、本研究が研究疑問が探索型であることである。オリジナリティは高いものの、如何に、簡潔に研究の意義を伝え、研究参加によるメリットについて説明できるかにかかっている。具体的でわかりやすい説明を心掛けるように留意しながら研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗に大幅な遅れがあり、予定していた機器の購入に至っていないため。
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