本研究では,体力向上だけでなく体力に関する知識の理解を含めた包括的な指導プログラムをゴール型球技・サッカーを例に作成するとともに,その有効性を検証することを目的とした.そのために,1年目には「関連して高まる体力」(中学校1・2年)を効果的に学習させる指導プログラムの開発とその有効性の検証,2年目には「体力の高め方」(中学校3年)を効果的に学習させる指導プログラムの開発とその有効性の検証,3年目には一連の研究成果をまとめた指導資料を作成することとした.平成28年度(1年目)には,「関連して高まる体力」を学習させることをねらいとした指導プログラムを開発し,その有効性を中学校1年生を対象に検証した.その結果,体力向上に加えて,技能と関連して高まる体力に対する理解を深めることができた.平成29年度(2年目)には,「体力の高め方」を学習させることをねらいとした指導プログラムを開発し,その有効性を中学校3年生を対象に検証した.その結果,体力向上はみられなかったものの,体力の高め方に対する理解を深めることができた.平成30年度(3年目)には,これまでの研究成果をもとに,実際の授業づくりに活用できるよう,単元計画や一単位時間の授業例を示した指導資料を作成した.今後は,県の教育委員会を通して指導現場へ周知する予定である.以上の研究成果は,ゴール型球技・サッカーを例に検証したものであるが,他の球技種目の授業づくりにも役立つものと考えられる.
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