研究課題/領域番号 |
16K01636
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研究機関 | 愛知東邦大学 |
研究代表者 |
葛原 憲治 愛知東邦大学, 人間健康学部, 教授 (70225150)
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研究分担者 |
柴田 真志 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (00254467)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 中学生 / 早期専門化 / 傷害発生率 / 傷害予防 |
研究実績の概要 |
本研究における平成28年度内の課題は、中学生世代のジュニアスポーツの傷害発生実態を調査することであった。中学校の部活動において、バスケットボールは軟式野球に次いで2番目に加盟校が多い人気スポーツである。名古屋地区の中学校のバスケットボール部に傷害調査を要請した。ただし、各チームの競技レベルの差が傷害発生状況に影響を及ぼすことが考えられるため、調査対象のチームを市の地区大会においてはベスト8以上、県の大会においてはベスト16以上に入るチームとし、男子3チームと女子2チームの承諾を得て傷害調査を実施した。 傷害調査について、先行研究(葛原ら 東海体育学会第62回大会2014、葛原ら 第19回日本体力医学会東海地方会学術集会2015、Kuzuhara et al., J Athl Train 2016)の傷害調査シート(チーム日誌、傷害記録シート、傷害既往歴問診アンケート)を用いて、医療機関を受診後、傷害の発生状況(身体接触、その他の接触)、傷害重症度(軽度、中程度、重度)、傷害タイプおよび傷害部位、競技復帰日をチームの監督・顧問もしくはチームマネージャーに年間を通して記録してもらった。また、傷害既往歴問診アンケートの回収率は、男子3チームのうち、A中学校100%、B中学校85.7%、C中学校8%であり、女子2チームのうち、D中学校100%、E中学校100%であった。男子のC中学校の回収率が非常に低く、学内事情により傷害調査が困難であるという理由から、C中学校は今回の調査対象から除外した。 チームへの協力依頼の承諾後、チーム日誌および傷害調査記録は5月頃から始まったため、現在11ヶ月間のデータが集積され3月末に回収を行った。今年度の調査について、引き続きチーム日誌および傷害調査シートによる記録を継続してもらっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査対象のチームにおいて、年度途中に中学校側の事情により傷害調査が困難となり、調査対象から除外することとなった。そのため調査対象のサンプル数が減ることになったが、研究を進める上で最低限のサンプル数を確保できているので問題はないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、平成28年度から引き続き傷害調査を通してデータを収集するとともに、国際指標である1000時間(1000 athlete-hours、以下AHs)当たりの傷害発生率(Injury rate、以下IR)を用いて、中学生世代のジュニアスポーツの傷害実態を明らかにすることである。また、3次元によるアクチグラフ(加速度計を用いた携帯型活動記録計)を用いて、部活動の練習時および試合時の活動量を測定することで、消費エネルギー、運動強度別の活動量、上下・左右・前後による活動量と傷害の関連を分析し、さらに、各チームの練習や試合状況を撮影したり、チームの指導者から聞き取り調査を行うことで、外的因子や内的因子などの問題点を抽出し、傷害予防について詳細に検討を行う。 これまでの研究結果を元に、国内のトレーナー関連学会(NSCAジャパンなど)での学会発表や報告等を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の調査研究の出張予定が急遽変更になったため
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究出張として使用する予定である。
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