本研究は、チームの勝利には、普遍妥当な価値判断基準とそこに内在する法則である規範的原理が重要な役割を果たしていることを、また、チームスポーツにおける「正しい」協働行為は2つの判断基準とそれを支える規範的原理によって支えられていることを明らかにした。 その成果は、チームスポーツにおける、競技者同士、競技者とチーム、競技者とコーチという関係において生起する種々様々な実践上のコンフリクトの解決に貢献するばかりか,競技力の構成契機である身体性と知性の相互作用を統御する重要な能力である感性をめぐる議論の新たなパラダイム展開を促すことで、改めてチームにおける競技力の内実究明に貢献すると言える。
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