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2020 年度 実績報告書

学校のスポーツ活動における負傷事故の分析:根拠に基づく実態の解明と安全対策の推進

研究課題

研究課題/領域番号 16K01659
研究機関名古屋大学

研究代表者

内田 良  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (50432282)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード学校安全 / スポーツ傷害 / スポーツ医学 / 部活動 / 学校事故 / 新型コロナウイルス感染症 / 熱中症 / 教育課程
研究実績の概要

2020年度は,第一に,スポーツ事故の具体的な分析として,運動部活動の競技種目別における熱中症事故について分析し,第二に,新型コロナウイルスの感染拡大にともなう部活動におけるクラスターの発生状況について調査した。
第一の課題では,日本スポーツ振興センターが毎年刊行している『学校の管理下の災害』の公開データをもとに,過去の状況を調べた。『学校の管理下の災害』には,2010年度以降において,各種負傷や疾病に関して,活動内容別の件数が計上されている。中学校と高校の運動部活動では,毎年計3000件ほどの熱中症事例が報告されている。記録的な猛暑となった2018年は計4000件にのぼる。2016~2018年度の過去3年分について詳細な分析をおこなったところ,学校管理下の熱中症事案について,中学校では68.1%が,高校では63.9%が運動部活動で起きていること,部員1万人あたりの発生率では中学校と高校いずれにおいても,発生率の最多はソフトボール部で,2番目が野球部,3番目がラグビー部であることがわかった。さらに筆者が別途実施した中学校運動部活動の実態調査の結果を接合させたところ,活動時間数が大きい競技種目ほど,熱中症の発生率が高いことが明らかとなった。
第二の課題では,新型コロナウイルスの感染拡大にともなう,部活動における「クラスター」の発生状況を,新聞記事データベースを用いて集計・分析した。2020年10月から2021年3月までに中学校と高校の教育活動で156件のクラスターが確認できた。新聞記事では,学校名をはじめ具体的な活動状況までは記載がないものが多かったもののそうした「不明」ケースをのぞくと,高校では圧倒的に部活動でクラスターが発生していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 部活動問題の社会的構成:部活動の語られ方からみる部活動改革推進の背景2021

    • 著者名/発表者名
      野村駿・太田知彩・内田良
    • 雑誌名

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)

      巻: 67(2) ページ: 109-119

  • [雑誌論文] 教育のリアル : 現場の声とエビデンスを探る(8)部活動という聖域2020

    • 著者名/発表者名
      内田良
    • 雑誌名

      教育と医学

      巻: 68(5) ページ: 398-405

  • [学会発表] コロナ禍の「特別扱い」2021

    • 著者名/発表者名
      内田良
    • 学会等名
      東海体育学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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