研究課題/領域番号 |
16K01660
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
杉田 正明 三重大学, 教育学部, 教授 (60235885)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 低酸素 / 高酸素 / 酸素飽和度 / ホルモン分泌応答 / 成長ホルモン / エリスロポエチン |
研究実績の概要 |
男子学生8名を対象とし、安静時における低酸素4分+高酸素2分を10回(計60分)繰り返す交互吸入の前後のホルモン分泌、吸入中の自律神経活動水準および近赤外線分光法を用いた特定部位の酸素動態を明ことを目的とした。 低酸素吸入中はSpO2が75~80%になるように酸素濃度を調節した。全対象者の全ての低酸素吸入時の酸素濃度は平均9.93 (±1.14)% 、全高酸素吸入時の酸素濃度は32.72 (±0.32) %であった。その結果、以下の知見が得られた。 (1)交互吸入において、成長ホルモンは吸入前よりも吸入直後、吸入後30分よりも吸入直後の方が有意 (p<0.05) に高い値を示し、交互吸入により成長ホルモン分泌が促進することが明らかになった。(2)交互吸入時において、エリスロポエチンは、脚部total-Hbとの間に有意な負の相関関係 (p<0.05) が認められた。つまり、脚部total-Hbが低くなればなるほどエリスロポエチンの濃度が高くなることが考えられた。 以上のことから、低酸素・高酸素の交互吸入における身体への影響としては、吸入後のGH分泌増加、生体内の酸素化Hbが減少すると、それが刺激となってエリスロポエチン分泌応答を促進することが明らかになった。これらは、60分間の低酸素連続吸入時には見られなかったことから、本研究では低酸素吸入刺激としての低酸素の濃度を規定せずに、パルスオキシメータを用いて、低酸素吸入中のSpO2が75~80%になるように酸素濃度を調節した。本研究で得られた様々な効果は、SpO2の水準が身体に与える刺激としてふさわしいレベルと低酸素と高酸素の組み合わせであった可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で設定した低酸素・高酸素の交互吸入における身体への影響として、吸入後のGH分泌増加、生体内の酸素化Hbが減少すると、それが刺激となってエリスロポエチン分泌応答を促進することが明らかになったことから、本研究で得られた様々な効果は、SpO2の水準が身体に与える刺激としてふさわしいレベルと低酸素と高酸素の組み合わせであった可能性が考えられ、順調に進展いるということができる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に求めた低酸素と高酸素の交互の繰り返し吸入を4週間継続して行うトレーニング実験(対照群有)を通して、血液性状及び持久能力等への効果について検討する。
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