平成29年度には、体重を免荷した条件下でのランニング時の生体応答に関する以下の研究を実施した。 本研究の主な目的は、体重を免荷した条件下での前方および後方ランニング時の歩数の変化が、生理学的応答、主観的運動強度(RPE)および筋活動に及ぼす影響について明らかにすることであった。健常成人9名を対象として、はじめに、種々の体重免荷条件下(体重免荷の割合:0%、20%および50%)での前方および後方ランニング時の歩数(PSF)を測定した。得られたPSF値に基づいて、異なる体重免荷の割合および異なる歩数条件下(PSFおよびPSF±10%)での各運動中の酸素摂取量、心拍数、RPEおよび筋電図等を測定した。その結果、前方および後方ランニング時の歩数の変化は、酸素摂取量、心拍数および筋活動に影響を及ぼす可能性が示唆された。また、ランニング時の移動方向の変化は、酸素摂取量、心拍数および筋活動に影響を及ぼす可能性が示唆された。さらに、前方および後方ランニング時における体重免荷の割合の変化は、酸素摂取量、心拍数、RPEおよび筋活動に影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの研究結果は、現在、学術論文として、国際誌に投稿準備中である。 また、平成29年度には、体重を免荷したランニング時の生理学的応答および筋活動動態に着目した研究の解析および論文の執筆も行った。これらの研究成果は、既に、Human Movement Science誌、Gait and Posture誌およびJournal of Strength and Conditioning Research誌に、掲載が受理されている。 さらに、平成29年度には、平成28年度に実施した、体重を免荷した前方および後方ランニング時における自己快適ペースの再現性に関する論文の執筆も行った。
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