平成30年度には、体重を免荷した条件下でのランニング時の生体応答に関する以下の研究を実施した。 本研究の目的は、体重免荷の割合を任意に設定することが可能なトレッドミルでの前方および後方ランニング時の速度の変化が、生理学的応答(酸素摂取量および心拍数)、下肢筋活動動態および主観的運動強度に及ぼす影響について明らかにすることであった。健常成人を対象として、最初に、異なる体重免荷の割合(0%、20%および50%)および異なる走行方向(前方および後方)の条件下でのランニング時の自己選択速度(PS)を測定した。その後、異なる体重免荷の割合、異なる走行方向および異なる速度(PS、PS+10%およびPS-10%)条件下でのランニング時の生理学的応答、下肢筋活動および主観的運動強度を測定した。その結果、ランニング時の速度の変化は、生理学的応答、主観的運動強度および下肢筋活動に影響を及ぼす可能性が示唆された。また、ランニング時の走行方向の変化は、大腿直筋の筋活動に影響を及ぼす可能性が示唆された。さらに、ランニング時の体重免荷の割合の変化は、生理学的応答、主観的運動強度および下肢筋活動に影響を及ぼす可能性が示唆された。 平成30年度には、体重を免荷した前方および後方ランニング時の生理学的応答に関する学術論文の執筆も行った。本研究成果は、International Journal of Sports Medicine誌に掲載された。また、平成30年度には、体重を免荷した前方および後方ランニング時のストライド頻度の変化が、生理学的応答、筋活動動態および主観的運動強度に及ぼす影響に関する学術論文の執筆も行った。
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