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2016 年度 実施状況報告書

反動的踏切能力を高めるトレーニング方法の開発と実践が疾走能力に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 16K01688
研究機関石川工業高等専門学校

研究代表者

岩竹 淳  石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10342487)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード伸張-短縮サイクル運動 / ジャンプ力 / プライオメトリックス
研究実績の概要

研究代表者らは,高校生年代の生徒を対象に,短時間の反動的な踏み切りを反復するプライオメトリックトレーニング(以下,プライオメトリックス)を実施させると,ジャンプ力が高まることで,疾走能力が改善することを報告してきた.一方で,踏み切り時に力を発揮するタイミングが把握できない生徒では,期待されるトレーニング効果が得られ難いこともみられた.このことは,ジャンプ力が異なる集団に対して,画一的なプライオメトリックスプログラムを導入することの問題を指摘するものである.
そこで本研究では,短時間の反動的な踏み切りのタイミングが理解できずにジャンプ力が低い生徒を念頭に,この問題を解決するエクササイズの開発を行うことにした.さらに,そのエクササイズの継続的な実施によりジャンプ力を向上させることと,疾走能力の改善につなげていくプログラムの構築を,3年間の研究計画として立案した.
具体的には,連続的に垂直方向へ踏み切るリバウンドジャンプ能力を,本研究で高めたいジャンプ力と位置付けた.そして,平地で数回のリバウンドジャンプによりタイミングを計った後に,台上へ跳び乗らせて即座に真上へ踏み切らせるエクササイズを考案した.この段差を利用したリバウンドジャンプは,運動開始時の平地から跳躍の頂点までの距離に比べて,跳躍の頂点から台上までの距離が短いため,段差の高さ分だけ平地で接地するよりも早いタイミングで踏み切る必要が生じる.
このエクササイズをトレーニング手段として用いれば,短時間の反動的な踏切を苦手とする生徒でも,力を発揮するタイミングを感覚的に習得でき,段差のない平地におけるリバウンドジャンプ能力が向上することで,疾走能力の改善につながるのではないか,と仮説立てて研究を推進している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,リバウンドジャンプの着地位置に台を設け,台上へ跳び乗ったら即座に踏み切るエクササイズを考案し,リバウンドジャンプ能力が阻害されずに踏み切ることが可能な至適台高は何cmなのか明らかにする.次に,段差を利用したリバウンドジャンプトレーニングを継続すると,踏み切りのタイミングが修正されてリバウンドジャンプ能力が向上するのか明らかにしたいと考えている.最終的に,トレーニングの前後においてリバウンドジャンプ能力が向上するのであれば,短距離走の疾走タイムや最大疾走中の接地時間へどのような効果をもたらすのか明らかにする,という3つの解決課題を設定した.
今年度は,ひとつめの課題として,踏み切りのタイミングを改善するトレーニング方法を考案するため,平地から台上へ跳び乗らせて即座に全力で踏み切るエクササイズの至適台高について検討した.本研究では,高校生年代にある男子生徒を対象に,リバウンドジャンプの踏み切り台高を0cmから30cmまで5cm毎に上げていき,接地時間および滞空時間から算出した跳躍高を用いて,ばね能力の評価指標であるリバウンドジャンプ指数を算出した.その結果,台を用いない平地のリバウンドジャンプにおける測定項目を基準としたときに,台高5cmの試技において踏切時間が有意に短縮してリバウンドジャンプ指数が高まることが明らかにされた.
台高が10cmになると接地時間が遅延し出す被験者もおり,台高15cmになると全被験者の接地時間が遅延した.したがって,リバウンドジャンプの踏み切りには,5cmの台を用いることで踏み切りのタイミングが改善される可能性が考えられた.

今後の研究の推進方策

本研究は3年計画で3つの課題を解決しようとするものである.今年度は,リバウンドジャンプにおける踏み切りに5cmの段差を設けることで接地時間が短縮されることが明らかにされた.その際,平地に比べて踏み切り動作がどのように変化するのか,また地面反力がどのような違いを示すのか,分析を進めているところである.
次年度は,5cmの段差を利用したリバウンドジャンプトレーニングを実施することで,実際に平地におけるリバウンドジャンプ能力が向上するのか検証することを予定している.また,段差を用いたリバウンドジャンプエクササイズによる,一過性の効果についても検討してみたいと考えている.
本研究で開発したエクササイズやトレーニング方法は,ジャンプ遂行者が強く意識しなくても踏み切りのタイミングが修正できる効果を期待するものである.ジャンプ力が低い者以外にも,踏み切る能力が未熟な幼児や児童など,幅広い年代の身体能力開発に応用できる可能性もある.本研究成果の普及ということも念頭に,研究を進めているところである.

次年度使用額が生じた理由

研究遂行に使用するエクササイズ用の物品購入費が,当初予定より若干安価になったため.

次年度使用額の使用計画

地面反力測定用PCが不調のため,修繕費として利用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 着地に対する先取り能力を改善するジャンプトレーニング方法の開発2017

    • 著者名/発表者名
      岩竹 淳
    • 学会等名
      日本コーチング学会第28回学会大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東伏見キャンパス)
    • 年月日
      2017-03-21 – 2017-03-22

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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