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2017 年度 実施状況報告書

グローバル化する社会におけるスポーツと多様性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K01697
研究機関一橋大学

研究代表者

尾崎 正峰  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (20272768)

研究分担者 坂上 康博  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10196058)
坂 なつこ  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (00345456)
岡本 純也  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (00313437)
鈴木 直文  一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (80456144)
中村 英仁  一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (30700091)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードスポーツ / 多様性 / グローバル化
研究実績の概要

グローバル化が著しい社会の中でのスポーツの場面においてさまざまな差別や格差が存在している現実等を背景として、国際的にスポーツと多様性に関する議論が活発となってきている。昨年度に引き続いて、今年度、グローバル化が進展する社会状況の中でのスポーツと多様化の視点から、関連する理論動向と実態の把握を進めた。
第一に、スポーツと多様性に関する研究について、隣接する領域にも視野を拡げつつ検討を行い、国内外の研究動向とその特徴をとらえた。
第二に、スポーツと多様性をめぐるスポーツの実態とその特質を探るためのフィールド調査を行った。この際、本研究のキーワードである多様性、その承認と実現をめぐるせめぎ合いという視点から、ナショナリズム、開発、地域振興、障害など、研究代表者および研究分担者のそれぞれの独自性をもって取り組んだ。
第三に、グローバル化のもとで、ドーピングや選手側の不服申し立てなどスポーツをめぐるさまざまなトラブルが多様化してきているが、こうした事態に対応するスポーツ仲裁が大きな意味を持つに至っている。この点に関する日本、および国際的な動向と特徴を把握することをねらいとして専門的知識を有する研究者を招聘し、研究交流を行った。
これらの研究成果の一部を『一橋大学スポーツ研究2017』において中間的なまとめとして掲載した。同時に、本研究を基盤として、本研究の研究代表者および研究分担者の各メンバーが、査読のある海外の研究雑誌への投稿・掲載、単行本としての発刊をはじめとして、多くの論考を執筆・発表するとともに、学会発表にも積極的に取り組んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の研究目的、および研究計画に基づいて、平成29年度の研究は進展した。
別項の「研究実績の概要」にも記したように、1.スポーツと多様性をめぐる研究動向の把握、2.スポーツの実態を多様性の観点からとらえていくためのフィールドワークおよび資料・データ収集、調査、3.研究視角をより構造的に展開するための近接領域の研究者との研究交流を計画通り実施した。
こうした点を基盤として、個々のメンバーが、著作、論文、学会発表等、さまざまな機会をとらえて研究成果の公表に努めた。
研究組織の面からは、本研究のメンバー全員が一橋大学スポーツ科学研究室に所属していることは研究を進めていく上でのアドヴァンテージであり、頻繁、かつ緊密にディスカッションを日常的に行うとともに、互いの研究報告の機会を設けることで、進捗状況をこまめに確認することができたことが特徴としてあげることができる。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、平成28年度、29年度に引き続き、研究代表者と研究分担者が連携を取りながら、それぞれが担当する研究テーマ・視角にもとづいて本研究を進めていく。
第一に、本研究の初年度である平成28年度からの継続的課題として、スポーツと多様性に関する国内外の研究動向の多面的な把握を行う。第二に、本研究の問題意識に即して、また、前年度までの研究活動の蓄積をふまえ、多様な地点を設定して現地での資料収集やフィールドワークを行う。第三に、平成28年度、29年度と同様に、国内外の研究者とのネットワークを活用して研究の効率化を図ること、および、関連する領域の研究者との交流を行う。第四に、これまでに集積してきた事例研究と平成28年度に実施した国内外の調査の成果をふまえて、各国・地域の比較を交え、各人が分担する個別地域の変容を、それぞれのテーマに即して重層的に把握する。
今年度の研究活動によって得られたデータや知見、および前年度までの研究実績をあわせて、研究代表者および研究分担者が、学会発表や論文投稿など、さまざまな機会を通じて、本研究の成果を公表していくよう努める。

次年度使用額が生じた理由

*理由:予定していた調査の中のいくつかが調査側との日程等の調整が折り合わず次年度の実施となったこと、および、外国語文献の購入に関する予算執行について、ハードカバーの体裁の購入を予定していたものの中のいくつかが、より安価なペーパーバック版として出版されたことによる差額が生じたことによる。

*次年度の使用計画:計画されていた調査対象に対して調査を実施する。また、文献購入の追加予算として充当することを計画している。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 生活のなかのスポーツを豊かにするために2017

    • 著者名/発表者名
      尾崎 正峰
    • 雑誌名

      月刊社会教育

      巻: 2017年5月号 ページ: 3-11

  • [雑誌論文] The right to adequate housing: evictions of the homeless and the elderly caused by the 2020 Summer Olympics in Tokyo.2017

    • 著者名/発表者名
      Naofumi Suzuki, Tetsuo Ogawa & Nanako Inaba
    • 雑誌名

      Leisure Studies

      巻: Vol.37 ページ: 89-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Capability Approach to Understanding Sport for Social Inclusion: Agency, Structure and Organisations2017

    • 著者名/発表者名
      Naofumi Suzuki
    • 雑誌名

      Social Inclusion

      巻: Vol 5, No 2 ページ: 150-158

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「障害者スポーツ施設」の嚆矢-1970年代の「大阪市長居障がい者スポーツセンター」の実践-2017

    • 著者名/発表者名
      尾崎正峰
    • 雑誌名

      一橋大学スポーツ研究

      巻: Vol.36 ページ: 3-10

  • [雑誌論文] 実践報告:「オルタナティブスポーツ」とは何か2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木直文
    • 雑誌名

      一橋大学スポーツ研究

      巻: Vol.36 ページ: 11-18

  • [雑誌論文] 補論:「オルタナティブスポーツ・フェスティバル」に参加して2017

    • 著者名/発表者名
      岡本純也
    • 雑誌名

      一橋大学スポーツ研究

      巻: Vol.36 ページ: 19-24

  • [雑誌論文] スポーツと「男性性の保護区」2017

    • 著者名/発表者名
      坂 なつこ
    • 雑誌名

      一橋大学スポーツ研究

      巻: Vol.36 ページ: 25-28

  • [雑誌論文] 第三部総説 個に寄り添う-セクソロジーからヒューマンセクソロジー-2017

    • 著者名/発表者名
      坂 なつこ
    • 雑誌名

      佐藤文香、伊藤るり編『ジェンダー研究を継承する』人文書院

      巻: 図書所収論文 ページ: 454-459

  • [雑誌論文] 第20章 池上千寿子2017

    • 著者名/発表者名
      大島岳、坂 なつこ
    • 雑誌名

      佐藤文香、伊藤るり編『ジェンダー研究を継承する』人文書院

      巻: 図書所収論文 ページ: 460-481

  • [学会発表] The Creation of Kendo’s Self-Image from 1868 to 1945:A Critical Analysis of Invented Tradition2017

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Sakaue
    • 学会等名
      New Research on Japanese Martial Arts
    • 招待講演
  • [学会発表] How Sports Can Contribute to Compensate for Social Policies: From a Case of a Soccer-based Homeless Assistance Programme2017

    • 著者名/発表者名
      Nakata, Sayato & Suzuki, Naofumi
    • 学会等名
      The 14th East Asian Social Policy Research Network Annual Conference
  • [図書] ニッポンのオリンピック2017

    • 著者名/発表者名
      小路田泰直・井上洋一・石坂友司・坂上康博・和田浩一・小石原美保・井上俊・内田隆三・阿部潔・菊幸一
    • 総ページ数
      264(131-162)
    • 出版者
      青弓社

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公開日: 2018-12-17  

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