研究実績の概要 |
ドロップジャンプ中の体幹の挙動を明らかにするため,成人男性を被験者として,30cm, 40cm, 50cm, 60cm高の台から,手を腰に置いた状態と手を後頭部で組んだ状態でドロップジャンプを行わせた.全身の動作および体幹の挙動を分析するため,左半身14点および脊椎と骨盤に12点の計26点の反射マーカーを貼付し,左側方3方向および背面2方向からビデオカメラ(sampling rate: 120Hz, shutter speed 1/1000s)で撮影した.地面反力計は,踏切地点に設置し,データはADコンバータを用いて1000Hzでコンピュータに取り込んだ. その結果,跳躍時間は,手を腰に置いた状態での30cmから 60cm高の台からの実施では,それぞれ0.47s, 0.50s, 0.49s, 0.46sであり,手を後頭部で組んだ状態での実施では,それぞれ0.45s, 0.43s, 0.48s, 0.49sであった.垂直地面反力のピーク値は,手を腰に置いた状態での30cmから 60cm高の台からの実施では,それぞれ4001N, 6224N, 6557N, 5561Nであり,手を後頭部で組んだ状態での実施では,それぞれ5195N, 4908N, 5640N, 5803Nであった.踏切中の上後腸骨棘とC7間の距離の変化は,手を腰に置いた状態での30cmから 60cm高の台からの実施では,それぞれ41mm, 42mm, 42mm, 37mmであり,手を後頭部で組んだ状態での実施では,それぞれ36mm, 42mm, 48mm, 53mmであった.跳躍時間や垂直地面反力のピーク値は,台高や手の位置による差は影響は小さかったが,上後腸骨棘とC7間の距離の変化は,手を後頭部で組んだ状態での実施の方が手を腰に置いた状態での実施に比べて大きく,特に台高が高い場合に大きかった.
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